未盗掘古墳
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 05:20 UTC 版)
未盗掘古墳とは、人が埋葬された状態のまま、一度も盗掘されていない古墳をいい、全国で年間数十基が発掘されている(※2013年時)。未盗掘古墳の重要性は、遺物と遺構の位置関係(どの遺物が、どの遺構のどの場所に、どのような形で副葬されていたか)を当時のまま伝えてくれるところにあり、その情報が記録されていなければ価値を大きく損ねてしまう。また、複数の埋葬施設を有する古墳では、そのいくつかが未盗掘状態で残されていることがあり、そのような場合は「準未盗掘古墳」などと呼ばれる。 古墳が盗掘されることなく残されたパターンは、次の二つがある。一つはそこが古墳であると認知されていなかったというパターンで、中世に山城として利用された滋賀県雪野山古墳などが当てはまる。もう一つは、様々な理由で掘ることができなかったというパターンで、墓守によって守られていた(※例:奈良県藤ノ木古墳)、地震などによって石室が崩落していた(※例:群馬県綿貫観音山古墳、奈良県黒塚古墳)、墳頂からかなり深い場所に埋葬施設があった(※例:茨城県三昧塚古墳、岡山県勝負砂古墳)などがある。また、最近の調査では、未盗掘またはほぼ未盗掘であることが判明した場合、あえて発掘せずに埋め戻すこともあり、2010年(平成22年)に調査された兵庫県長尾山古墳などはその一例である。
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