昭和天皇の行幸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/13 16:02 UTC 版)
昭和6年10月21日に昭和天皇が海軍技術研究所を行幸し、暗号機も天覧視察した。その際の模様が「昭和六年、行幸関係、電気研究部」に記されている。 「これは暗号翻訳機であります。秘密を要する重要な通信を致します時にはその符号は暗号を用いなければなりませぬ。然るに従来の方法は一々暗号書によって文句を作り、受けたものは又暗号書によって翻訳しなければならないのでありまして、これには非常に時間と労力を要します。この如き方法は数多くこれらを受信しまして対照して組み合わせますと段々とその暗号は敵に覚られるのであります。この暗号機は昨年のロンドン軍縮会議の少し前に当所にて考案致しまして、非常に有効に使用されたものであります。これによりますと単に普通文を右のタイプライターに依って打ちますと電気的装置によりまして極めて複雑なる組み合わせによって暗号となり左のタイプライターに印字として現れます。又受けたるものは受けた通りの暗号文を右のタイプライターに打ちますと左のタイプライターに翻訳されて元の文句が表れるのでありまして、暗号を解読さるる心配なく且つ極めて迅速に秘密文を電送する事が出来ます」と説明された。 展覧された暗号機は「最近改良したもの」と「最初製作したもの」の2組で、「ダイニホンテイコク」を暗号化し翻訳した。 具体的な暗号機の種類は不明であるが、九一式印字機一型もしくは二型であると思われる。
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