昇汞水とは? わかりやすく解説

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しょうこう‐すい【昇×汞水】

読み方:しょうこうすい

昇汞食塩加えてに溶かしたもの毒性強く、かつて消毒液として使用された。


昇汞水

読み方:ショウコウスイ(shoukousui)

昇汞水溶液


塩化水銀(II)

(昇汞水 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/08 14:12 UTC 版)

塩化水銀(II)
塩化水銀(II)の空間充填モデル
塩化水銀(II)の空間充填モデル
物質名
識別情報
3D model (JSmol)
ChemSpider
ECHA InfoCard 100.028.454
EC番号
  • 231-299-8
KEGG
PubChem CID
RTECS number
  • OV9100000
UNII
国連/北米番号 1624
CompTox Dashboard (EPA)
性質
HgCl2
モル質量 271.52 g/mol
外観 無色または白色の固体
匂い 無臭
密度 5.43 g/cm3
融点 276 °C (529 °F; 549 K)
沸点 304 °C (579 °F; 577 K)
3.6 g/100 mL (0 °C)
7.4 g/100 mL (20 °C)
48 g/100 mL (100 °C)
溶解度 4 g/100 mL (エーテル)。
エタノール、アセトン、酢酸エチルに溶ける。
ベンゼン、二硫化炭素、ピリジンにわずかに溶ける。
酸解離定数 pKa 3.2 (0.2M 溶液)
磁化率 −82.0·10−6 cm3/mol
屈折率 (nD) 1.859
構造
直交
直線形
直線形
0 D
熱化学
標準モルエントロピー So 144 J·mol−1·K−1[1]
標準生成熱 ΔfHo −230 kJ·mol−1[1]
−178.7 kJ/mol
薬理学
D08AK03 (WHO)
危険性
労働安全衛生 (OHS/OSH):
主な危険性
強い毒性、腐食性
GHS表示:
Danger
H300+H310+H330, H301, H314, H341, H361f, H372, H410
P201, P202, P260, P264, P270, P273, P280, P281, P301+P310, P301+P330+P331, P303+P361+P353, P304+P340, P305+P351+P338, P308+P313, P310, P314, P321, P330, P363, P391, P405, P501
NFPA 704(ファイア・ダイアモンド)
Health 4: Very short exposure could cause death or major residual injury. E.g. VX gasFlammability 0: Will not burn. E.g. waterInstability 1: Normally stable, but can become unstable at elevated temperatures and pressures. E.g. calciumSpecial hazards (white): no code
4
0
1
引火点 不燃性
致死量または濃度 (LD, LC)
32 mg/kg (ラット, 経口)
安全データシート (SDS) ICSC 0979
関連する物質
その他の
陰イオン
フッ化水銀(II)
臭化水銀(II)
ヨウ化水銀(II)
その他の
陽イオン
塩化亜鉛
塩化カドミウム
塩化水銀(I)
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。

塩化水銀(II)(えんかすいぎん に)は、HgCl2という組成をもつ、水銀塩化物の一種。猛毒である。よって、毒物及び劇物取締法(毒劇法)で毒物に指定されており、取り扱いは厳重である。

一般的には昇汞(しょうこう)と呼ばれるが、塩化第二水銀(えんかだいにすいぎん)とも表記される。水溶性の無色または白色の針状結晶である。水にやや溶けやすく(常温で水1kgに約60g溶ける)、アルコールエーテルにも溶け、昇華しやすい。

なお、塩化水銀には2種類あり、もう一方は塩化水銀(I)(甘汞、Hg2Cl2)である。

用途

かつて塩化水銀(II)を水で薄めた昇汞水は、殺虫剤伝染病予防法施行規則第24条に指定された3番目の消毒液[2]防腐剤であったが、あまりにも毒性が強いため、現在は使用されていない。江戸時代の蘭方ではカール・ツンベルクにより梅毒の駆梅剤として紹介され一定の効果が確認されたため長らく使用されたが、サルバルサン、次いでペニシリンの流通以降は使用されない。

また、写真の現像液としても使用された[3]生物学の実験に際して昆虫を無菌飼育するときに卵を無菌化する殺菌剤や、ギルソン液などの固定液の原料として塩化水銀(II) が挙げられることがある。

なお、ギルソン液(Gilson's solution)とは、水880mlに対して、60%のエタノールまたはメタノールを100ml、氷酢酸を18ml、80%の硝酸を15ml、20gの塩化水銀(II)を加えて作った溶液である[4]

生産

水銀または塩化水銀(I)塩素を付加することで得られるほか、硝酸水銀塩酸を反応させることによっても得られる。

硝酸水銀(II)塩酸の反応は次の通りである。副産物として水と二酸化窒素一酸化窒素を生成する。

国立図書館 その他



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