旧通貨からユーロへの移行
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 00:15 UTC 版)
対1ユーロでの旧通貨の交換比率ベルギー・フラン 40.3399 キプロス・ポンド 0.585274 ドイツ・マルク 1.95583 エストニア・クローン 15.6466 フィンランド・マルッカ 5.94573 フランス・フラン 6.55957 ギリシャ・ドラクマ 340.750 アイルランド・ポンド 0.787564 イタリア・リラ 1936.27 ラトビア・ラッツ 0.702804 ルクセンブルク・フラン 40.3399 マルタ・リラ 0.429300 オランダ・ギルダー 2.20371 オーストリア・シリング 13.7603 ポルトガル・エスクード 200.482 スロベニア・トラール 239.640 スロバキア・コルナ 30.1260 スペイン・ペセタ 166.386 リトアニア・リタス 3.4528 欧州為替相場メカニズム適用国においてユーロを導入する際には、欧州連合加盟国の財務相による経済・金融理事会において最終交換比率を決定することになる。この交換比率は、端数処理による誤差が最小限となるような有効桁数が6桁の数となるように決められる。 1998年12月31日に欧州連合加盟国の財務相は、ユーロを最初に導入する11か国の通貨とユーロとの最終交換比率を決定した。このときの交換比率は欧州通貨単位に基づいて設定されたものである。以後にユーロを導入した国(2001年のギリシャ、2007年のスロベニア、2008年のキプロスとマルタ、2009年のスロバキア)の旧通貨とユーロとの最終交換比率は、欧州為替相場メカニズムのセントラル・レートを基準として定められた。 ユーロが決済通貨として導入されると、導入国の旧通貨とほかの通貨との両替は「トライアンギュレーション」方式でのみ行われることとなった。つまり旧通貨とほかの通貨との両替にあたっては、いったんユーロに換算してから行なわれなければならなくなった。また端数処理はユーロおよび対象通貨の小数第3位で行うことが認められていた。トライアンギュレーションは直接換算で発生するおそれがある端数処理の誤差を防ぐため、欧州委員会はこの方式による両替の実施を義務づけた。 旧通貨単位での金額表示をユーロに切り替えるにあたって、切り替えのための計算の最後の時点においてのみ、端数を支払いが可能な額に丸めることが認められた。端数処理を計算の最後の時点としたのは、計算にあたって個々の要素や計算途中で出された結果を端数処理をするとまったく異なる結果が出るおそれがあったためである。異なる結果が出てしまえば、新通貨の導入によって契約の継続性に影響を及ぼさないとする原則に反することになる。
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