日祐 (スーパーマーケット)とは? わかりやすく解説

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日祐 (スーパーマーケット)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/17 03:22 UTC 版)

日祐(にちゆう)は、佐賀県でかつて県内を中心に13店舗のスーパーマーケットを展開していた地場大手の小売業者。80年代末以降はニチユー1986年(昭和61年)には売上高175億円を上げて、佐賀主婦の店の150億円や佐賀玉屋の146億円を上回り、佐賀県内に本社を置く小売業で首位となった[1]

歴史

1933年昭和8年)に古川貞雄が呉服反物の行商卸を行ったのが始まりである[2]

1940年(昭和15年)に小城郡牛津町(現:小城市)に呉服卸問屋「古川商店」を開業したが[2]第二次世界大戦中に統制のため事業を休止した[3]

1951年(昭和26年)に「株式会社福井商店」を設立したが[3][4]、経営難に陥ったことから1954年(昭和29年)に同社を解散した[3]

1955年(昭和30年)に「日祐衣料株式会社」を設立したが、1961年(昭和36年)に同社を解散して個人営業に戻し、同年に佐賀市東魚町に支店を開設して佐賀市に進出した[3][4]

1964年(昭和39年)6月6日に「株式会社日祐」を設立し[5]、同年には佐賀市松原町にも出店した[3][4]1965年(昭和40年)に東魚町支店を閉店し、1966年(昭和41年)に松原支店に食堂を開設した[3][4]

ショッピングポイントサービスではブルーチップに加盟。一時はグリーンスタンプに加盟していたハローマックスバリュ九州の前身の一つ)と激しく争っていた。1980年代後半にはグループ年商240億となる。[要出典]

しかし1990年代に入り、東松浦郡七山村(現:唐津市)にゴルフ場を開発したことで多額の負債を抱えたことや、県外の大手資本が郊外型スーパーを相次いで開業させたこと、長崎自動車道の全通など福岡都市圏へのアクセスが向上したことなどもあり、売り上げは減少。1996年平成8年)7月、再開発商業施設セリオの核テナントとして移転していた創業地牛津の店舗を残し、他の店舗をマルキョウの子会社・青木商事に譲渡した[6]

これらの店舗は当初「マルユー」という名義で運営されていたが、その後マルキョウ本体が子会社から店舗を分割吸収し、現在は「マルキョウ」の店舗となっている。[要出典]

しかし牛津の店舗も更に激化した競争の中で県外勢に抗うことができず、ついに市内の同業者に事業譲渡し、小売業から全面撤退した。そしてかつての本店(佐賀店)近くで運営していたボウリング場「日祐ボウル」も2011年(平成23年)7月17日に閉店し、40年の歴史に幕を下ろした[7]

過去の店舗

スーパーマーケット

マルキョウへ売却

売場面積4,645 m2[11]
総合百貨日祐(衣料品[10]、売場面積1,485 m2[10])と祐栄(食品・雑貨[9]、売場面積1,320 m2[9])の2店舗として出店していた[8]
1968年(昭和43年)7月29日に2階の総合百貨日祐から出火して同フロアは全焼し、1階の祐栄も水浸しとなり、総額約2億円の被害が生じる火災となった[12]
昭和40年代後半には佐賀玉屋ダイエーと共に佐賀市の商業の中心を形成していた[13]
マルキョウ佐賀店となったが、2013年平成25年)11月19日で閉店となった[14]
  • 神野店(佐賀市神野西4丁目13-5[要出典]
売場面積230[15]
  • 本庄店(佐賀市本庄町[16]
売場面積864m2[16]
マルキョウ本庄店となったが、2015年(平成27年)5月末で閉店となった[17]
売場面積1,476 m2[18]
神崎町の商店街の一角に出店していた[19]
売場面積2,858 m2[22]
売場面積1,485 m2[18]
総合百貨日祐(衣料品[10]、売場面積693 m2[10])と祐栄(食品・雑貨[9]、売場面積462 m2[9])の2店舗として出店していた。
売場面積1,468 m2[16]

その他

売場面積132 m2[23] → 1,020m2[16]
売場面積1,286 m2[24]
牛津街づくり株式会社の「ショッピングプラザ セリオ」(延べ床面積5,360 m2[24]、売場面積2,793 m2[24])の核店舗として出店した[24]
2005年(平成17年)7月にバニーズ牛津店が出店したが、2012年(平成24年)5月22日に閉店した[26]
2012年(平成24年)9月21日スーパーモリナガ牛津店(売場面積約1,200 m2)が出店した[27]
売場面積280 m2[28]
売場面積220 m2[16]

福岡県

売場面積330 m2[16]
売場面積3,207 m2[29]
衣料品が全体の約9割を占める衣料品スーパーであったが、ダイエー原店の進出による競争激化などで低迷し、地元の佐賀への西友や駅ビル・佐賀デイトスの出店に対応するため、閉店することになった[31]
ベスト電器へ店舗売却。現:ベスト電器西新店[要出典]
敷地面積約2,797 m2[32]、鉄筋コンクリート造地上2階建て[32]、延べ床面積約3,465 m2[32]、店舗面積約2,723 m2[32](当社店舗面積約893 m2[32])、駐車台数約50台[32]
和光ショッピングセンターの核店舗として出店していた[32]

実現しなかった店舗

  • 日祐タウンショッピングセンター(佐賀市末広1-386-2[34]1991年(平成3年)6月7日開店予定[34]
鉄筋コンクリート造5階建て・延べ床面積約52,257 m2[34]、売場面積17,069m2[34](直営売場面積13,707 m2[34]
鉄骨造3階建て・延べ床面積約23,525 m2[35]、売場面積9,900 m2[35](直営売場面積8,200 m2[35]
鉄骨造2階建て[36]、売場面積8,217 m2[36](直営売場面積8,217 m2[36]
鉄骨造3階建て・延べ床面積約6,293 m2[37]、売場面積4,927 m2[37](直営売場面積4,320 m2[37]

過去の小売店以外の事業所

1971年昭和46年)開店[7]。32レーンを備え、うち半分は木製レーンが残っていた[7]。市内唯一の全日本ボウリング協会と日本ボウラーズ連盟の公認レーンだった[7]。建物の老朽化のため2011年平成23年)7月17日閉店[7]
敷地面積約19,800 m2[39]、鉄骨4階建て・延べ床面積約8,211.53 m2[39]、駐車台数約400台[38]
天然温泉の川上温泉を利用して[39]、露天岩風呂など11の浴場と生け簀レストランやホテルを併設し[38]、開業時点では九州最大級の健康ランドであった[39]
1989年(平成元年)8月にウォータースライダーや流水プールなどを備えた別館を増設した[38]
長崎自動車道 佐賀大和ICの近くにあり、佐賀駅からの送迎バスも運行されていた[38]
70席のミニ映画館や喫茶レストラン「ピア大和」・大衆いけすレストラン「日本海」も併設していた[38]
3階と4階には客室数28室・最大収容人数180名の「リバーサイドホテル川上」が営業していた[39]
子会社である(株)西日本エンタプライズが経営していた[39]
面積626 m2[5]
  • 焼肉レストラン・ブリエル[40]

脚注

  1. ^ 『データ・ハンドブック 1987年版』 商業界、1987年6月15日。pp20
  2. ^ a b “日本流通列島縦断全報告 いま一番注目されている地元流通企業”. 激流 1977年1月号 (国際商業出版) (1977年1月).pp11-41
  3. ^ a b c d e f 『全国繊維企業要覧 昭和43年版』 信用交換所大阪本社、1967年9月15日。pp1689
  4. ^ a b c d 『日本繊維商社銘鑑 1969年版』 東京信用交換所、1968年9月15日。pp1431
  5. ^ a b c 『日本スーパーマーケット名鑑 1970年版』 商業界、1970年。pp690
  6. ^ 「スーパー日祐、マルキョウ傘下に 【西部】」『朝日新聞』、1996年5月16日、13面。
  7. ^ a b c d e f ボウリング場・日祐ボウル、来月閉店 開業40年で幕”. 佐賀新聞情報コミュニティ ひびの (2011年6月4日). 2011年7月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年10月10日閲覧。
  8. ^ a b 『日本セルフ・サービス年鑑 1970年版』 日本セルフ・サービス協会、1970年3月20日。pp345
  9. ^ a b c d e f g h 『日本スーパーマーケット名鑑 1969年版』 商業界、1969年。pp593
  10. ^ a b c d e f g 『日本スーパーマーケット名鑑 1969年版』 商業界、1969年。pp591
  11. ^ “大規模小売店舗法の施行状況について(その2)”. 九州商工時報 1974年9月号 (九州商工協会) (1974年9月).pp7
  12. ^ 『佐賀県災異誌 第2巻』 佐賀地方気象台、1974年3月。pp119
  13. ^ “Ⅲ 都市成長と地域経済の変貌”. 九州経済統計月報 1973年11月号 (九州経済調査協会) (1973年11月).pp41
  14. ^ マルキョウ佐賀店、11月19日で閉店”. 佐賀新聞ニュース (2013年10月30日). 2017年3月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年10月10日閲覧。
  15. ^ 西村宏 “特売の改善強化と生鮮部門の直営化を 店長教育の実施と人材の育成も急務”. 食品商業 1981年5月号 (商業界) (1981年5月).pp73-81
  16. ^ a b c d e f g h i j k “全国大規模小売業地域別・店別売上高ランキング(No.8)”. ヤノニュース 1980年7月25日号 (矢野経済研究所) (1980年7月25日).pp50
  17. ^ マルキョウ本庄店閉店へ 神野店改装し影響緩和”. 佐賀新聞LiVE (2015年5月20日). 2015年5月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年10月10日閲覧。
  18. ^ a b c d 飯盛信男 “佐賀県における流通再編成の動向”. 九州経済統計月報 1979年9月号 (九州経済調査協会) (1979年9月).pp4
  19. ^ 伊東哲 “地方自治体のワク組みを大きく変える大型店計画 佐賀県上峰町”. ショッピングセンター 1991年4月号 (日本ショッピングセンター協会) (1991年4月1日).pp41
  20. ^ “昭和52年度大規模小売店舗法施行状況”. 九州商工時報 1978年5月号 (九州商工協会) (1978年5月).pp15
  21. ^ 川野訓志 『もう一つの中規模店規制 佐賀県における出店規制について』 専修商学論集 第104号 (専修大学学会) (2017年1月)。pp33
  22. ^ 『全国都市統計総覧』 東洋経済新報社、1982年9月。pp969
  23. ^ a b c d 『日本スーパーマーケット名鑑 1970年版』 商業界、1970年。pp581
  24. ^ a b c d e 『週刊東洋経済 臨時増刊 全国大型小売店総覧 2010年版』 東洋経済新報社、2010年。pp1777
  25. ^ “’95年開店SC一覧”. ショッピングセンター 1995年12月号 (日本ショッピングセンター協会) (1995年12月1日).pp59
  26. ^ “「セリオ」核店舗撤退 当面、独自で生鮮品 小城市”. 佐賀新聞(佐賀新聞社). (2012年5月22日)
  27. ^ “牛津セリオ、核店舗「スーパーモリナガ」オープン”. 佐賀新聞(佐賀新聞社). (2012年9月21日)
  28. ^ a b 『日本セルフ・サービス年鑑 1970年版』 日本セルフ・サービス協会、1970年3月20日。pp346
  29. ^ a b “大規模小売店舗法の施行状況について(その2)”. 九州商工時報 1974年9月号 (九州商工協会) (1974年9月).pp5
  30. ^ “Ⅰ 急膨張する広域中心都市福岡”. 九州経済統計月報 1973年11月号 (九州経済調査協会) (1973年11月).pp66
  31. ^ a b “国内の話題”. 商店界 1978年4月号 (誠文堂新光社) (1978年4月).pp111-115
  32. ^ a b c d e f g h 『ショッピングセンター名鑑 1988年版』 日本ショッピングセンター協会、1988年12月27日。pp1597
  33. ^ 『日本スーパーマーケット名鑑 1970年版』 商業界、1970年。pp563
  34. ^ a b c d e “届出情報”. ショッピングセンター 1990年9月号 (日本ショッピングセンター協会) (1990年9月1日).pp86
  35. ^ a b c d e “届出情報”. ショッピングセンター 1990年11月号 (日本ショッピングセンター協会) (1990年11月1日).pp70
  36. ^ a b c d e “届出情報”. ショッピングセンター 1991年5月号 (日本ショッピングセンター協会) (1991年5月1日).pp124
  37. ^ a b c d e “届出情報”. ショッピングセンター 1992年6月号 (日本ショッピングセンター協会) (1992年6月1日).pp66
  38. ^ a b c d e f 渡部隆夫 “「消費新時代のサービス産業」(1)健康センター”. 九州経済調査月報 1990年4月号 (九州経済調査協会) (1990年4月).pp8-9
  39. ^ a b c d e f g “話題の施設 ゆ~とぴあさが健康ランド”. 月刊レジャー産業資料 1989年1月号 (綜合ユニコム) (1989年1月).pp149-154
  40. ^ 堀田宗徳“外食産業への異業種参入”. 季刊外食産業研究 第33号 (外食産業総合調査研究センター) (1990年).pp16



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