日本/那智の滝からフランス/ラコストの泉へ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/01 18:12 UTC 版)
「水井康雄」の記事における「日本/那智の滝からフランス/ラコストの泉へ」の解説
水井の住まいのラコストLacosteの近くに、ボーキュルーズ Vaucluseの泉がある。14世紀にさかのぼる愛の物語が受け継がれている神秘的な泉である。70歳を迎えた水井は、地球における水のサイクルの中で、那智の滝の日本に落ちた水は、地球を貫通してこのフランス/ラコストの神秘の泉にいたり、沸き出しているに違いないと悟り、日本とフランスはつながっていることを作品テーマに選んだ。「日本とフランスという 半分半分を生きてきた。二つの道二つの文化を生きるなか、鑿とハンマーをつかった石との対話のなかでまだ到達していない私の仕事。<陰>というひとつの道ひとつの文化 <陽>というひとつの道ひとつの文化、それが近づき、一体化していく仕事。《斜陰陽》Diagonal Yin Yangというこの作品群は ~日本とフランスの生きる~を陰陽にみたて、自然のなかに陰陽を見出しながら、私自身の陰陽の融合をめざした彫刻家としての、石の上での陰陽の対話である。日本とフランスを半分半生きた私が、その半分半分を融合させたところにまだ知らぬ新しい息吹が生まれるであろうという期待をもって取り組んだ。」40点のシリーズの《斜陰陽》Diagonal Yin Yangの作品群は、大阪辰野ひらのまちギャラリー1995年(平成7年)の個展として展示された後、フランスにおくられ、水井の住まいであったラコストの広大な庭に野外展示されている。アンドレ・マルローは、日本に訪問した時、水井の友人である元筑波大学名誉教授の竹本忠雄にこういっている。「那智の滝は、真実本質的に、日本の神道の頂点である。」那智の滝とラコストの神秘の泉の繋がりの思いが、陰と陽、自らのなかのフランスと日本の融合の確信に導いたのである。
※この「日本/那智の滝からフランス/ラコストの泉へ」の解説は、「水井康雄」の解説の一部です。
「日本/那智の滝からフランス/ラコストの泉へ」を含む「水井康雄」の記事については、「水井康雄」の概要を参照ください。
- 日本/那智の滝からフランス/ラコストの泉へのページへのリンク