日本の普及状況
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 15:10 UTC 版)
「マニュアルトランスミッション」の記事における「日本の普及状況」の解説
MTは比較的製造コストが低く、動力の伝達が効率的であったため、かつてはMTが主流でATはオプション設定であることが多かった。特にエンジンの小さい小型車については、初期のATはトルクコンバーターの損失が大きく走行性能・燃費性能が悪かったため、エンジンの動力を効率的に使えるMTの方が適していた。 しかし、近年の車種では無段変速機(CVT)やATの方が燃費でも走行性能面でも優位に立っており、性能的アドバンテージを失ったMTは大きく数を減らした。日本では1980年代後半まで、MTは四輪自動車の変速機構の主流であったが、今はモデルチェンジや改良によりMTを廃止しATもしくはCVTのみに縮小されることが多い。また三菱自動車(日本国内における。輸出仕様には現在もMT車が存在する)のように自社生産車からMTを全廃する意向のメーカーも現れた。モデル別に見ても、多人数乗りミニバンでは1999年の日産・セレナのモデルチェンジ、トヨタ・エスティマエミーナ及びルシーダのモデル廃止をもってラインナップから姿を消した。2017年の国内MT比率は2.6%であった。 このようにMTは完全に時代遅れのイメージが強いが、2019年現在でもスバル・WRX STIやトヨタ・マークX GRMN(限定生産)のようなMT専用モデルが販売されているほか、スズキ・ジムニー、ホンダ・S660、トヨタ・86/スバル・BRZ、マツダ・ロードスターのような安価かつ趣味性の強い四輪車種ではMTがATより売れているものもある。またマツダやトヨタは趣味性のそれほど高くない車種にも積極的にMTをラインナップしている。スズキは現行アルトワークスでMTを操ることを前面に押し出して宣伝している。またトヨタのiMTのような、ギアチェンジに合わせてエンジン回転数を調節する機能を持ったMTも増えており、MTのハードルを下げる努力がなされている。
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