日本の映画館の形態
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 18:43 UTC 版)
日本の映画館は、規模別・興行形態別に以下のように区分される。 新作映画を全国規模で一斉に上映する封切館(ロードショー館)従来型の封切館 シネマコンプレックス(シネコン) ミニシアター - 独立系映画会社による制作・輸入の新作映画など、小規模での公開を前提とした映画を上映する 名画座 - 旧作映画を主体に上映する また、映画倫理機構(映倫)が定めるレイティングに従い、R-18指定の映画を中心に上映する映画館を「成人映画館」(後述)、それ以外の映画が主であるものを「一般映画館」と区分することがある。 封切館は大手映画会社によって築かれた全国規模のネットワーク(チェーン)が出来ており、テレビのネットワーク同様、原則としてネット元の映画会社が選択した映画を上映する映画館である。この場合、ある程度のヒットを想定している。大都市圏にはチェーンの中心となる館が設定される(これを「チェーン・マスター」といい、大規模な映画館がその役割を担う)。現代日本の封切館の主流は、1990年代~2000年代ころからシネマコンプレックス(シネコン)に移行しつつあり、規模や立地条件などにより区分された配給形態の等級づけ(後述)は、ほぼ消滅状態となっている。シネコンには従来型の映画館にない新技術を導入した劇場もある(巨大スクリーンのIMAXシアターやオムニマックス・シアターなど)。 名画座の源流は、封切館より立地の劣る区域向けの映画館で行われていた、封切り終了後に遅れて新作を上映する興行形態の存在である。封切館から1~2週間遅れで新作を上映するものを「二番館」、更に遅れて上映する館を「三番館」「四番館」と呼んだ。これらの遅れ流通のことを「下番線」、下番線系列の映画館を総称して「下番線劇場」「下番線館」などと呼んだ。これら下番線劇場では二本立てや三本立ての興行が一般的で、特定1社ではなく複数の会社の製作・配給作品を取り混ぜて興行することも多かった。この「下番線」形態は上述のとおり、シネコンの登場で薄れつつある。また、名画座はレンタルビデオやDVDの普及により減少傾向にある。
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