日本の政府開発援助(ODA)による津波防波堤
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/28 15:47 UTC 版)
「日本とモルディブの関係」の記事における「日本の政府開発援助(ODA)による津波防波堤」の解説
1987年、大規模な高潮が襲ってモルディブの大部分を浸水させた。この潰滅的な高潮はインド洋に浮かぶこの島国に多大な影響を及ぼし、特にマレのインフラは麻痺してしまい、推定6億米ドルと見られる被害総額が発生した。そして、モルディブのGDPは前年度と比べて5.70%も減少、すなわち1986年の1億5800万ドルから1987年の1億4900万ドルへと減少した。モルディブ政府は直ちに日本政府へ緊急援助および今後このような高潮が襲ったときのための防災支援を要請、日本政府はその要請を受け入れた。日本の政府開発援助(ODA)が支援する沿岸防護プロジェクトは年内のうちにすぐ始まり、2002年に6キロメートルの長さの防波堤で首都の周りを囲み終えた。 このプロジェクトが完了したわずか2年後の2004年、マグニチュード9.1以上の大規模な海底地震が発生し、太平洋西部およびモルディブを含むインド洋ほぼ全域の沿岸部を津波が襲った(スマトラ島沖地震)。 この巨大な津波により、スリランカ、インド、タイ王国、マレーシア、マダガスカル、ソマリア、ケニア、タンザニア、南アフリカ、そしてマレ島以外のモルディブで23万から28万人もの人々が亡くなった。それにも関わらず、モルディブの場合、日本とモルディブの二国間共同プロジェクトにより構築された津波防波堤がマレに住んでいた人々を保護し、マレでは一人の死者も出さなかった。
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