日本のマスメディアの問題点とは? わかりやすく解説

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日本のマスメディアの問題点

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/01/07 13:27 UTC 版)

日本のマスメディアの問題点(にほんのますめでぃあのもんだいてん)は、マスメディア報道機関、もしくはその組織に所属・関係する者の問題点を言う。

目次

日本のマスメディアへの批判

クロスオーナーシップの存在 

権益報道のダブルスタンダード

  • マスメディアは政治家や官僚、サラリーマン等の既得権益はしばしば批判を行うが、マスメディアの既得権益である記者クラブ新聞特殊指定[要出典]については沈黙を守るか、見直しの動きについては自社メディアを使って露骨な反対を行う[要検証 ][1][2]
    • JBpressは、「日本のマスメディアは、もはや、既得権益にしがみ付く最も保守的な組織と化した」と指摘している[3]
    • フリージャーナリストの神林毅彦は「もし、米国で押し紙によって水増しされた発行部数が公になれば、即刻潰れるだろう」と指摘している[4]

信頼度調査のギャップ

  • 読売新聞によるアンケートでは新聞への信頼度は87%と極めて高い数字を示した[5]
  • その一方、内閣府所管の一般社団法人中央調査社(世論調査機関)が2008年8月に行った調査[6]によれば、日本のマスメディアへの信頼度は自衛隊警察大企業教師などよりも低く、国会議員官僚よりは高かった[7]

大衆を煽る報道

  • マスメディアは総合批判型ではなく個別批判型に偏向している[要出典]例えば性犯罪などの教師の不祥事やいじめ自殺が起こった際の学校現場は集中砲火的に批判はするが、その背景にある教師の過労死寸前の勤務状態や日教組による締め付けや教師同士のいじめについてはほとんど報じられる事はない[要出典]。また、「草食系男子」についても「男は弱くなった。」(中日新聞2011年1月13日付記事)などと けなす報道を繰り返す[要検証 ]一方で、 その背景にある行き過ぎた男女平等教育(ジェンダーフリー教育等)の問題については一切報じていなかった[要出典]
    • そして死者が出る大惨事が起こった際は当事者をあら探し的に批判する傾向がある[要出典]。2001年2月のえひめ丸事件の際、森喜朗首相(当時)は事故が起こった際ゴルフをやっていたと言う事で危機意識の欠如をマスメディアは批判したが、事故とは全く関係ないゴルフ会員券の件まで批判を行った(同年2月放送分「ニュースステーション」より)。また2005年4月の福知山線脱線事故の際はJR西日本の社員が、事故当日にボウリングを行った事まで猛烈に批判した(これも事故とは直接関係ない)[要出典]
    • 特定非営利活動法人ライフリンクは、『今の「いじめ自殺」の報道が、それに続く自殺を誘発している可能性を否定できない』として、2006年に報道の改善を要求している[8]。2009年11月に内閣府がまとめた自殺対策白書でも、硫化水素ガス自殺において、新聞・テレビにおける関連情報の露出と自殺者数の増加は比例したと結論付けている[9]

軍事関係報道の自主規制

  • 在日米海軍司令部によれば、日本の記者の中には、駆逐艦空母の違いも分からない者が存在しているという[10]
  • また日本の記者は、政治家から金銭を貰って報道に便宜を図っているとの疑いがある[要出典]イギリスエコノミスト紙は、日本の歴代の政権与党が、官房機密費からメディアの解説者やテレビ評論家に多額の資金を渡していることを報道している[11]

スポンサーに屈服するマスメディア

  • マスメディアは「脅しに屈しない」をモットーにしているが、2008年11月の厚生労働省への批判報道に対して経団連名誉会長兼トヨタ自動車相談役の奥田碩が「厚労省叩きは異常な話。正直言ってマスコミに報復してやろうかな。スポンサーを降りるとか」[12]と発言すると、日本民間放送連盟の会長である広瀬道貞(兼テレビ朝日相談役)は「出演者の中に感情にだけ訴える過激な発言もある。テレビの影響力の大きさから言えばある種の節度が必要かなという気もした」と脅しについては一切指摘をせず強者であるトヨタに屈服するような発言を行った[13][14]

中立性の問題

  • 2010年9月に発生した尖閣諸島中国漁船衝突事件に抗議して東京・渋谷でおこなわれた2600人の規模のデモについて、多くの海外メディアが報じた一方、日本のメディアはほとんど報じなかった[要出典]。デモを呼びかけた1人だった田母神俊雄は、「主だったメディアには直前にリリースした」「中国のデモは十数人規模でも日中で報じられるのに、日本でこれだけの人が集まったことが報じられないのはおかしい」と批判した[15]
  • 佐々木俊尚は、30人程度の参加者しかいない死刑制度反対デモの記事が、社会面に写真付きでデカデカと掲載されて書いた自分が驚いたことがあると語り[16]、日本のマスコミは勧善懲悪という対立軸しか持てず、そこから逸脱した行為に対しては思考停止に陥ると指摘している[17]

謝罪をしない

  • 布川事件で一旦有罪となり、再審で無罪が認められた男性は、取材に対して「逮捕されたときは極悪人で、無罪になったらヒーロー扱い」と語った。また、彼は記者会見で冤罪の可能性を報じなかったマスメディアを批判したが、その部分はカットされて一切報じられなかったという[要検証 ][18]
  • 日本のマスメディアは、Who are you ?捏造報道のように、単なる冗談の類を、一切の確認を取らずに本当のこととして流し、しかもその後に虚偽が分かっても訂正すらしない場合がある。被害を受けた森喜朗は、内閣退陣後もマスコミのあり方に疑問を呈した。
  • 日本のマスメディアでは、新入社員に対して徹底的に「お詫び記事を出さない」事を叩きこむ。頭を下げるとペンが汚れるとして、他の業界であれば大問題となる不正が発覚しても、決して謝罪は行わない[19]

脚注

  1. ^ 読売新聞2006年6月3日付記事に新聞特殊指定について断固反対の立場をとった社説が掲載された
  2. ^ 新聞宅配制度・見直しにメリットはない 琉球新報2006年3月30日配信記事
  3. ^ 博雅 (2009年6月1日). 高齢社会に媚びるマスコミ 経済記事の「災害報道」化. JBpress. 日本ビジネスプレス. pp. p. 2. 2009年9月23日閲覧。
  4. ^ 黒薮哲哉 (2009年8月11日). “米国紙記者が語る「つまらない新聞が多量に売れる日本の不思議」”. マイニュース (My News Japan). http://www.mynewsjapan.com/reports/1087 2009年9月23日閲覧。 
  5. ^ 「新聞は必要」92%…読売世論調査 読売新聞2010年10月14日付記事
  6. ^ “「議員、官僚、大企業、警察等の信頼感」調査(2008/10)” (PDF) (プレスリリース), 中央調査社, (2008年10月3日), http://www.crs.or.jp/pdf/trust08.pdf 2010年3月6日閲覧。 
  7. ^ “官僚、議員、マスコミの「信頼度」は? - 中央調査社が世論調査”. 時事通信. (2008年10月3日). http://www.jiji.com/jc/v?p=ve_soc_reliability-survey081003j-01-w290 2008年10月3日閲覧。 
  8. ^ “いじめ自殺の報道について改善を求めます” (プレスリリース), 自殺対策支援センターライフリンク, (2006年10月30日), http://www.lifelink.or.jp/hp/jisatsuhoudou.html 2009年9月23日閲覧。 
  9. ^ “平成20年度硫化水素自殺事案とマスメディア報道に関する調査研究(平成21年版 自殺対策白書)” (プレスリリース), 内閣府自殺対策推進室, (2009年11月), http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/whitepaper/w-2009/html/honpen/part3/s3_1_01_sanko.html 2010年3月13日閲覧。 
  10. ^ “Twitter / 在日米海軍司令部: 駆逐艦が寄港したある地方の記者の方に、「この駆逐艦と ...”. 在日米海軍司令部. (2010年4月28日). http://twitter.com/CNFJ/status/12996312015 2010年4月28日閲覧。 
  11. ^ “官房機密費の問題にだんまりを決め込む主流メディア”. エコノミスト. (2010年5月22日). http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/3582 2010年6月4日閲覧。 
  12. ^ メディアから広告引き上げ トヨタ奥田氏「報復宣言」の効果J-CASTニュース2006年11月13日
  13. ^ 2008年11月20日の民放連の記者会見
  14. ^ もし一般視聴者がマスメディアを脅す発言や抗議を行っても聞き流されるか無視されるかのどちらかである[要出典]
  15. ^ “田母神氏“煽動”尖閣大規模デモ…国内メディアが無視したワケ - 政治・社会”. ZAKZAK. (2010年10月4日). http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20101004/dms1010041702016-n1.htm 2010年10月4日閲覧。 
  16. ^ 佐々木俊尚
  17. ^ 佐々木俊尚
  18. ^ “逮捕されたときは極悪人で、無罪になったらヒーロー扱い”. 西日本新聞. (2011年11月15日). オリジナル2011年11月14日時点によるアーカイブ。. http://web-beta.archive.org/web/20111114192718/http://nishinippon.co.jp/nnp/item/273331 2011年11月15日閲覧。 
  19. ^ “窪田順生の時事日想:なぜマスコミはインチキをしても「ごめんなさい」と言わないのか”. Business Media 誠. (2012年5月29日). http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1205/29/news018.html 

参考文献

関連項目




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