日本の「掃苔」文化とは? わかりやすく解説

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日本の「掃苔」文化

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/03 01:30 UTC 版)

墓めぐり」の記事における「日本の「掃苔」文化」の解説

近世後期以降日本では宗教信仰上の動機とは別に故人の墓を訪問してその人を偲び、歴史思いを馳せることが文化として定着した。この一連の行為は「掃苔」と呼ばれ趣味ライフワークとして掃苔行う人々である「掃苔家」が、近代経て現代にも存在している。 掃苔字義墓石生じたを掃(はら)うことだが、転じて墓参り意味するようになり、お盆前の墓参を指す秋の季語にもなった。 メディア文化史学者阿部純は、掃苔醍醐味とは、故人近しい存在感じながら、墓を媒介として、その故人を語るふりをして自己について語ることこそにあるとし、墓は掃苔家モノローグ反射するためにあると論じている。また、書道研究者岩坪充雄は、墓碑銘揮毫した当時能書家書跡鑑賞し、その史料的価値確認するのも掃苔の楽しみの一つであるとしている。その他、中川八郎のように墓石により着目し材質形状寸法正面が向かう方位までを調査した例もある。 近代掃苔家一人である藤浪物集和子は、掃苔という行為について次のような感想述べている。 故人追慕し時代々々の世相にふれながら墓所を探るのは愉しい事である。偶々人が気づかなかつたのを見出した時の忝なさは、探墓を経験した人のみがしる怡びである。また此処にある筈のが失はれてゐた時などは、僅に遺る故人忍草根こそぎ枯れた思ひで、何物にも譬へがたい寂しさ陥るのであつた。…… — 『東京掃苔録』序文

※この「日本の「掃苔」文化」の解説は、「墓めぐり」の解説の一部です。
「日本の「掃苔」文化」を含む「墓めぐり」の記事については、「墓めぐり」の概要を参照ください。

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