日本でのマルクス経済学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/19 04:04 UTC 版)
「マルクス経済学」の記事における「日本でのマルクス経済学」の解説
日本では、マルクス経済学の学派は、大きく分けて次の4つである。 正統派(現在は講座派の流れをくむものが多い) 宇野学派 市民社会派(レギュラシオン派) マルクス数理経済学派 日本では、経済学は長く「近代経済学」と「マルクス経済学」に分かれ、歴史的にはマルクス経済学の影響が強いという側面があった。 早稲田大学、慶應義塾大学、東京商科大学ではマルクス派が主流とならなかった一方で、東京・京都の旧帝国大学の経済学部ではマルクス派が多数派となった。戦前の東京・京都帝大経済学部は、マルクス派、皇国経済学派、リベラル派の三つ巴であったが、戦後になって右翼系の経済学者が戦争責任を負わされる形で大学を追放されることとなり、その後任に左翼系のマルクス派が主流となる人事が実行された。 日本の経済学界では戦後しばらく講座派、労農派らによるマルクス経済学が主流であり、終戦直後の傾斜生産方式による戦後復興はマルクス経済学者(有沢広巳)による発案である。 冷戦終結後、日本では社会主義国の崩壊の影響で、大学でマルクス経済学を学ぼうとする学生が減少し、旧帝国大系の経済学部において近代経済学への移行がみられた。マルクス経済学側でも「社会経済学」「政治経済学」と名称を変えて退潮を阻止しようと試みている。2022年時点で、「マルクス経済学」の名称が残っている大学は、慶應義塾大学がある。 日本の経済史の分野においては、経済の有機的類型化の把握手法と経済体制の発展と矛盾の弁証法的記述において、研究が続けられている。
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