方言分類の基準とは? わかりやすく解説

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方言分類の基準

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/29 23:25 UTC 版)

クリー語」の記事における「方言分類の基準」の解説

※以下の文におけるカタカナでの発音表記は、日本語話者簡易的音声知らせるもので、必ずしも現地語を忠実に再現していない。 子音の[ʃ] クリー語方言連続体は、いくつかの区分分かれるオンタリオ州北部から、ケベック州北西湾岸部にかけて、[ʃ] (日本語シャ行に似た音、英語のsh音)と[s](sの音)の間に明確な区別があるが、西部東部では区別しない西部では[s]とのみ発音し東部では[ʃ]または[h](日本語ハ行の子音)のいずれか発音される長母音 北部平原クリー語(Plains Cree)と森林クリー語(Woods Cree)を含むいくつかの方言では、長母音[eː](エー)と[iː](イー)は[iː]ひとつに集約される。ケベック州のチサシビ(Chisasibi)とワプマグストゥ(Whapmagoostui)では、長母音[eː]は、長母音[aː](アー)に集約される。 しかし、クリー語諸方言のうち最もバリエーション富んでいるのは、アルゴンキン祖語の *l に起源を持つ音である。下の表を参照SKサスカチュワン州、ABはアルバータ州BCブリティッシュコロンビア州NTノースウェスト準州MBマニトバ州、ONはオンタリオ州QCケベック州NLニューファンドランド・ラブラドール州)。 方言地域祖語の *l に起源を持つ音「先住民」を意味する語(祖語の *elenyiwa)2人称代名詞祖語の *kīlawa)平原クリー語(Plains Cree) SK, AB, BC, NT y iyiniw ᐃᔨᓂᐤ kiya ᑭᔭ 森林クリー語(Woods Cree) MB, SK ð/th iðiniw/ithiniw ᐃᖨᓂᐤ kīða/kītha ᑫᖬ 湿原クリー語(Swampy Cree) ON, MB, SK n ininiw ᐃᓂᓂᐤ kīna ᑮᓇ ムースクリー語(Moose Cree) ON l ililiw ᐃᓕᓕᐤ kīla ᑮᓚ 東部クリー語(East Cree) QC y īnū ᐄᓅ; īyiyū ᐄᔨᔫ čī ᒌ カワチカマチ・ナスカピ(Kawawachikamach Naskapi) QC y īyuw ᐃᔪᐤ čīy ᒋᔾ アティカメク語(Atikamekw) QC r iriniw kira 西部インヌ語(Western Innu) QC l ilnu čil 東部インヌ語(Eastern Innu) QC, NL n innu čīn y方言平原クリー語話者自分たちの言語hiyawēwin呼び森林クリー語話者は nīhithawīwin湿原クリー語話者hinawēwin と呼ぶ。これはスー語族Dakota、Nakota、Lakota や古代教会スラヴ語母音 ѣ (yat) の現代スラブ諸語への変化見られる音の交替と同様である。 クリー語諸方言の音韻的バリエーションのうち、もう一つ重要なものにアルゴンキン祖語における *k の硬口蓋音化がある。オンタリオ・ケベック州境の東(アティカメク語を除く)では、アルゴンキン祖語の *k は前母音の前の位置で[](「チーズ」の「チ」の子音)に変化している(上の表の「2人称代名詞祖語の *kīlawa)」を参照)。 クリー語地域連続体はしばしクリー語とモンタニェ語に分けられるクリー語には *k から [] への変化経ていない全ての方言含まれるブリティッシュコロンビアからケベック)。他方、モンタニェ語の使用される地域ケベックからニューファンドランド・ラブラドール)ではこの変化起きたこの分類は言語学的観点からは有用だが、「東部クリー語」がモンタニェ語となるため混乱招きかねない実用上は、クリー語とは通常正書法音節文字使用する諸方言のことであり(アティカメク語含みカワチカマチ・ナスカピ語を含まない)、モンタニェ語という呼び名ローマ字用い諸方言に使われるアティカメク語含まずカワチカマチ・ナスカピ語を含む)。ナスカピ語という呼び名一般にカワチカマチ語(y方言)とナトゥアシシュ語(n方言)を指す。

※この「方言分類の基準」の解説は、「クリー語」の解説の一部です。
「方言分類の基準」を含む「クリー語」の記事については、「クリー語」の概要を参照ください。

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