新左翼とジェンダー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 03:52 UTC 版)
全共闘運動では、警察の機動隊が代表するような「国家が行使する軍事的暴力」に対抗すべく活動の主体たる学生たちもゲバルトを行い、武装化していった。この武装化の現象を「軍事的男性性」と呼ぶ。運動内では肉体的に女性より能力が高い男性が優遇され、運動内での「身体パフォーマンスの極度な重視、女性を性的対象と見なす文化」(女性差別)が強まっていき、旧社会の家父長制が運動内で克服されるに至らなかった。ゲバルトなど運動の目立つ部分は男性が行い、女性は家事やガリ版の印刷等、その補助に回る文化が残った。当時を振り返って「既成の秩序や考え方にあらがう同志でさえも、男に仕える「カノジョか飯炊き」の役回りを求めていた。」と語る者もいる。1970年に田中美津は「便所からの解放」というビラを作成して、これを告発した。田中らは「リブ新宿センター」を設立して1970年代以降のフェミニズム運動やウーマン・リブのけん引役となっていく。1982年のABCD問題など、全共闘以後も性差別による問題は続いている。 2010年代以降も新左翼運動も含めた様々な運動体の中での性差別や性暴力が発生している。2020年には「すべての馬鹿げた革命に抗して」というタイトルでのSNS上での告発が注目された。
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