教育施設としての位置づけ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 22:06 UTC 版)
「朝鮮学校」の記事における「教育施設としての位置づけ」の解説
学校法人が設置しているものであるが、朝鮮学校は日本国内に居住する外国人をもっぱら対象とする教育施設とされている上に、文部科学省が定めるカリキュラムを満たしていないため、学校教育法による「一条校」ではなく各種学校として設置されている。 朝鮮学校の高級部(朝鮮高級学校)の課程を修了しただけでは、日本の大学入学資格は生じない。また、学歴上の高等学校卒と公的には認められない。ただし、法令の規定に基づいて各大学が個別に、「文部科学大臣の定めるところにより、高等学校を卒業した者、中等教育学校を卒業した者等と同等以上の学力があると認められる者」として、朝鮮学校の高級部(朝鮮高級学校)の課程を修了した者に出願資格を与えることがある。私立大学や公立大学は認めている学校が多いが、国立大学は近年まで認めていなかった。 だが、2003年8月11日の『文科省方針「大学入学資格の弾力化について」についての見解』によって、外国人学校卒業者が高等学校卒業程度認定試験を経ることなく、国立大学を受験する資格を認める方針が打ち出された。 また、中級学校卒業後の私立・公立高校への進学は都道府県教育委員会及び各私立学校の判断により認めているところが多い。ただ、朝鮮学校では高級学校までは進学させることを原則としている。また、かつては高級学校においても朝鮮大学校への進学を前提とした教育がおこなわれていたが、最近では日本の大学受験をめざす生徒のための教育もおこなっている。特に広島朝鮮初中高級学校では、他の朝鮮学校・高級部(朝鮮高級学校)とは異なり、1990年より日本の公立の通信制高校への同時入学制度を独自に設け、高級部に通いながら、同時に広島県立西高等学校(通信制)の授業も受けることで、卒業時には日本の高校卒業資格の取得をしている。2014年3月には愛知朝鮮中高級学校高級部がクラーク記念国際高等学校の通信制課程を取り入れ、同校卒業式でクラーク記念国際高校の卒業証書授与式が同時に行われたことを公式に明らかにした。
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