教会・聖堂
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/07 23:37 UTC 版)
司教座が置かれたアビラでは、いくつもの教会建築が名所となっている。旧市街地は城壁に囲まれているため面積が限られており、城壁の外に多くの修道院や教会が建立された。ゴシック建築のカテドラルは1107年に遡るとされるが、おそらくは13世紀から14世紀に建てられた。要塞のような外見を持ち、胸壁と2つの頑丈な塔があるカテドラルは、ロマネスク様式とゴシック様式両方の特徴を備えている。カテドラル内には多くの彫刻や絵画があり、1571年にフアン・デ・アルフェが制作した銀の聖体容器のそばに置かれている。カテドラルに納められている、彫刻家バスコ・デ・ラ・ロサの手による墓碑と聖櫃は芸術性を高く評価されている。 サン・ビセンテ、サン・ペドロ、サン・トマス、サン・セグンドの各聖堂のおもな特徴は15世紀のロマネスク様式だが、美しいサン・ビセンテ聖堂やサン・ペドロ聖堂の一部は12世紀に遡ると見られる。サン・ビセンテ聖堂(西: Basílica de San Vicente)は4世紀に聖ビセンテとその姉妹が殉教したとされる場所に建てられており、イスラム教徒の進出後は荒廃していたが、町を奪回したアルフォンソ6世の治世に再建された。聖堂にはダビデ王と聖女サビーナの彫刻が置かれているが、これはアルフォンソ6世とその娘ウラカをモデルにしたと言われている。聖堂に建てられた後期ロマネスク様式の門は使徒たちの小さな彫像で飾られている。 サン・ペドロ聖堂(西: Iglesia de San Pedro)の外観は簡素であるが、中には美しい祭壇衝立、絵画、金銀細工が収められている。 特に注目すべきはサン・トマス聖堂の大理石のモニュメントである。サン・トマス聖堂は「カトリック両王の回廊」「沈黙の回廊」「修錬者の回廊」で知られている。15世紀のフィレンツェの彫刻家ドメニコ・ファンチェッリによるもので、カトリック両王フェルナンド2世とイサベル1世の一人息子であるアストゥリアス公フアンの墓の上にある。また、サン・トマス聖堂にはスペイン最初の異端審問官であるトマス・デ・トルケマダが埋葬されている。
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