携帯電話のSARの測定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/02 23:22 UTC 版)
「en:Mobile phone radiation and health」および「携帯電話の電波による健康被害」も参照 携帯電話のSARを測定するとき、人間の頭部の像(これをSARファントム(SAR Phantom)という)に対して通話位置に携帯電話を配置する。SARは、頭部全体の中で最も高い吸収率を持つ場所で測定される。携帯電話の場合は、多くの場合は携帯電話のアンテナにできるだけ近い場所である。測定は頭部の両側の異なる位置に対して、装置が送信できる全ての周波数帯域で行われる。電話機のサイズと機能に応じて、ユーザの胴体や四肢の近くに携帯電話を置いた状態での測定が必要な場合もある。各政府は、モバイル機器から送信される電磁的エネルギーの最大SARレベルを規定している。 アメリカ合衆国: 連邦通信委員会(FCC)は、販売される電話機のSARレベルが、最大の信号を吸収している1gの組織について、1.6W/kg以下であることを要求している。 欧州連合: 欧州電気標準化委員会(CENELEC)は、IECの規格に従って、EU内のSAR制限を規定している。携帯電話などの手持ちデバイスの場合、SARの制限は、最大の信号を吸収する10gの組織について、平均2W/kgである(IEC 62209-1)。 インド: 2012年にEUの制限から米国の制限に切り替えた。米国とは異なり、インドは製造業者から提供されたSAR測定だけを信用することはない。政府が運営するインド電気通信技術センター(英語版)の(TEC)のSAR実験室でランダムコンプライアンステストが行われる。すべてのハンドセットにはハンズフリーモードが必要である。 日本: 日本におけるSARの制限は、無線設備規則第14条の2において、組織10gについて2W/kg以下、四肢については4W/kg以下と規定している。 SAR値は対象とする組織の体積に大きく依存する。使用された体積に関する情報がなければ、異なる測定間の比較はできない。従って、ヨーロッパの10gの評価はそれらの間で比較されるべきであり、同様に米国の1gの評価はそれらの間でのみ比較されるべきである。
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