挿し木の種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/23 13:49 UTC 版)
葉挿し 斑入りサンセベリアなどは葉だけを挿すと斑が無くなるが、茎の一部が付くように挿し穂を取ることで繁殖可能。シュウカイドウや菊類などは葉挿しで容易く増やせる。また多肉植物も葉挿しで容易に増やせるものも多くあるが、葉の色が薄い種や斑入りの品種などは葉挿しでは、うまく根付かない例もある(葉緑素の保有率が低いのが原因とされている) 茎挿し 植物体の新芽の部分を残した状態で挿す「天挿し」新芽の部分と根元部分の両方を切り葉を1-5枚程度残した枝を挿す「管挿し」などがある。また、挿し穂を用土に対してどのような形態で挿すかによる「垂直挿し」「斜め挿し」「水平挿し」「舟底挿し」などがあり、植物の種類や使用する挿し穂の形状などにより、これらの中からより適切な方法を選択する。 葉芽挿し 特にセダム類やサボテンなどの多肉植物でよく行われる方法。新芽の部分を切り取って挿す。植物によっては新芽部分が残った状態の枝を挿すと、新芽部分が萎えてここからダメになることも多い(それゆえ管挿しの方法がとられたりする)が、多肉系の植物では新芽の部分を挿しても容易に成功する例が多い。多肉の寄せ植え鉢を作る際、切り取った各種多肉の新芽部分を鉢に挿して寄せ植え鉢を作るなども可能である。 根挿し、または根伏せ 根や地下茎の一部を切り取り、土に埋めるなどする方法。地上部を挿しても発根しない植物で実行する。また、一部に地上部の挿し木も可能だが、この方法の方が成功率が高い植物もある。 接ぎ木挿し 接ぎ木作業と挿し木を同時に行う。技術的な難易度は高いが、穂木・台木ともに小さくて扱いやすく作業性も良いため、経済的に有利な場合がある。バラなどの繁殖に利用される。 水挿し 土ではなく、水を入れた花瓶などに挿す方法。一部の発根しやすい植物は、これで簡単に発根するため、発根を確認したら土に植え替えてやる。土に挿した場合は発根を視覚的に確認しづらいが、水差しの場合は根が出たのを容易く見て取れるメリットがある。 水耕挿し 上記水挿しの上位互換な方法。挿し穂を土に挿すのではなく、キッチンペーパーやスポンジなどを使い、挿し穂の切り口を遮光して水に挿す。バラなど発根に長時間要する植物などで特に有効。土を使わずに植物に「ここは土の中である」と錯覚させる方法で、スポンジなどが土の代用となる。発根に長時間要する物を土に挿した場合は1-2か月挿し穂が腐らないような管理を要求されるため、場合によっては土壌消毒などが必要になることもあるが、この方法であれば水をこまめに替えるだけで良いので管理が容易くなる。
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