挑戦と挑発、更なる実験
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 07:15 UTC 版)
「デペッシュ・モード」の記事における「挑戦と挑発、更なる実験」の解説
1984年に発表された『サム・グレート・リウォード』は、挑発的な楽曲が込められた作品であり、売り上げも過去最高のものとなる。先行シングルとなった「People Are People」は全英チャート4位、全米チャート13位など欧米でヒット。バンドのイメージを一新する、人種差別と暴力をテーマにしたこの曲は、様々なアーティストがカバーした。アメリカではサイアー・レコードから同名のミニアルバムが発売されている。 またシングルカットされた「Master and Servant」は、詞の内容や鞭の打撃音、鎖の音など当時は公にできなかったSMプレイを想起させる内容となり、アメリカのラジオ局では多くの放送局が曲を流すのを自粛した。またBBCでも一時放送禁止が取り沙汰された。メンバーが黒い皮やエナメルを用いた服装に身を纏い、マーティンが女装をしだしたのもこの時期である。 そして「Blasphemous Rumours」では「自殺を図った少女が命を取り留めるも、キリスト教に目覚めた途端事故で死ぬ」という皮肉に満ちた運命を背景に、神に毒づくという歌詞が問題となり、再びアメリカのいくつかのラジオ局で放送自粛の処置がとられたが、BBCではテレビ番組で歌うことができた。 1985年、初のベスト盤となる『ザ・シングルズ '81-'85』を発表。アメリカでは同時期にCatching Up with Depeche Modeという収録曲が一部異なるベスト盤も発売されている。 1986年に発表されたシングル「Stripped」は、実験作として発表された特異な楽曲であり、続いて発表された『ブラック・セレブレーション』で効果的に使われ、次第に彼らの特色となる立体的でアンビエントを取り入れた音響効果の片鱗を伺わせる作品となった。『ブラック・セレブレーション』はその名の如く歌詞も死や闇といったものからの影響が色濃く出ている作品である。 「A Question of Time」のミュージック・ビデオは、これまでU2やマドンナなど数多くのアーティストの写真を撮り続けてきたアントン・コービンが担当することになった。その後、コービンはデペッシュ・モードのミュージック・フィルムのみならず様々な写真、ステージの演出など多岐に渡りバンドのビジュアル面に関わることになる。
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