抜粋改憲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 05:31 UTC 版)
改憲案を巡る混乱が続く中、張沢相国務総理を中心とした新羅会は、大統領直選制改憲案と責任内閣制改憲案双方の妥協案を提示した。 改憲案の要点 国務委員(閣僚)は国務総理の推薦で大統領が任命 国務院(内閣)に対する国会の不信任案可決は在籍議員三分の二以上の出席の下に、出席議員の三分の二以上の賛成を要する。 従来の一院制から二院制へ変更 大統領選挙は直接選挙制に変更 双方の改憲案から抜粋したと言う意味で抜粋案と呼ばれた妥協案に対し、政府は支持を表明したが、野党議員を中心とする責任内閣制改憲推進派は、議員の安全と議会審議の自由を保障することを求め、国会出席を拒否した。これに対し、張沢相国務総理は国会の定足数を確保するために警察官を動員して、身を隠していた野党議員を「案内」の名目で国会議事堂まで連行し、逮捕されていた議員も名目上保釈して議事堂に軟禁する等した結果、定足数を確保した。また、国会議事堂周辺を警察官や暴力団で取り囲んで文字通りの脅迫的な雰囲気を作り出した中、大統領直選制と二院制を柱とする通称「抜粋改憲案」は7月4日、在籍議員166名中、賛成163、反対0、棄権3の全会一致に近い状況で可決され、改正憲法は7月7日に公布された。こうして当初の目的を達成した李承晩大統領は、翌月の8月5日に行われた大統領選挙で圧倒的な支持を得て第2代大統領に当選することができた。
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