手取川流域の珪化木産地とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 手取川流域の珪化木産地の意味・解説 

手取川流域の珪化木産地

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/03 00:54 UTC 版)

桑島化石壁

手取川流域の珪化木産地(てどりがわりゅういきのけいかぼくさんち)とは、石川県白山市白峰地区(旧白峰村)にある国指定の天然記念物である。県指定の天然記念物「桑島化石壁産出化石」はその一部。

概要と歴史

中生代前期白亜紀の代表的な地層である。化石壁周辺は、江戸時代から地域住民には「木の葉の模様のついた石」や「爪の形の模様のついた石」が落ちているとして知られていた。子どもたちは木の葉石を拾ったり、爪石に自分の爪を当てて合わせたりして遊んでいた。爪石とは二枚貝類の貝殻化石密集層の転石のことで、殻の断面形状が爪を押し当てた痕に似ていることから、そう呼ばれていたと思われる。殻の成分が雨水等で溶け出したものは、まさに爪痕のように見える。

1874年にドイツ人学者のヨハネス・ユストゥス・ラインがこの地で十数個の植物化石を拾い、それがジュラ紀中期ごろのものと判明、ナウマンの弟子小藤文次郎手取川流域の地質調査を行い、1880年に報告書が発表された。これは日本初の日本語で書かれた地質調査の報告書である。

1889年~94年に横山又二郎による調査が行われ、横山は手取川流域を含む加賀・越前の中生層を「手取統(てどりとう)」と命名した。

1957年、日本最古の珪化木産地として、国の天然記念物の指定を受ける。

1986年、当時日本最古と言われた恐竜メガロサウルス科の近縁種)のの化石が発見された。

桑島化石壁から産出した主な化石

展望所より
展望所に設置の化石サンプル

植物化石

  • オニキオプシス・エロンガータ Onichiopsis elongata - タカワラビ科(en)のシダの一種
  • ビリシア・オニキオイデス Birisia onychioides - シダの一種
  • ゼノキシロン・ラティポロサム Xenoxylon latiporosum - 針葉樹の一種
  • ポドザミテス・ランセオラートゥス Podozamites lanceolatus - 針葉樹の一種
  • ポドザミテス・ライニイ Podozamites reini - 針葉樹の一種
  • ギンゴイディウム・ナトールスティ Ginkgoidium nathorsti - イチョウ類の一種

動物化石

脚注

  1. ^ 新種化石06「桑島化石壁産出の恐竜化石に学名がつきました」”. 白山市. 2022年4月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月5日閲覧。
  2. ^ 新種化石01「桑島化石壁産出のは虫類化石に学名がつきました」”. 白山市. 2022年4月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月5日閲覧。
  3. ^ 新種化石03「桑島化石壁産出のトカゲ類化石に学名がつきました」”. 白山市. 2022年4月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月5日閲覧。
  4. ^ a b 新種化石10「白山市桑島地内産出のトカゲ類化石に学名がつきました」”. 白山市. 2022年4月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月5日閲覧。
  5. ^ 新種化石12「桑島化石壁産出の両生類化石に学名がつきました」”. 白山市. 2022年4月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月5日閲覧。
  6. ^ 新種化石02「桑島化石壁産出のほ乳類化石に学名がつきました」”. 白山市. 2022年4月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月5日閲覧。
  7. ^ a b 新種化石04「桑島化石壁産出のほ乳類化石に学名がつきました」”. 白山市. 2022年4月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月5日閲覧。
  8. ^ 新種化石02「桑島化石壁産出のほ乳類化石に学名がつきました」”. 白山市. 2022年4月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月5日閲覧。
  9. ^ 新種化石05「桑島化石壁産出の魚類化石に学名がつきました」”. 白山市. 2022年4月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月5日閲覧。
  10. ^ 新種化石09「桑島化石壁産出の魚類化石に学名がつきました」”. 白山市. 2022年4月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月5日閲覧。
  11. ^ a b c 新種化石07「桑島化石壁産出の貝類化石に学名がつきました」”. 白山市. 2022年4月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月5日閲覧。

参考文献

  • 「桑島化石壁から新種発見」『広報はくさん』39号、15頁、2008年4月。

関連項目

外部リンク

座標: 北緯36度12分16.55秒 東経136度37分53.64秒 / 北緯36.2045972度 東経136.6315667度 / 36.2045972; 136.6315667



このページでは「ウィキペディア」から手取川流域の珪化木産地を検索した結果を表示しています。
Weblioに収録されているすべての辞書から手取川流域の珪化木産地を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
 全ての辞書から手取川流域の珪化木産地 を検索

英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「手取川流域の珪化木産地」の関連用語

手取川流域の珪化木産地のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



手取川流域の珪化木産地のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの手取川流域の珪化木産地 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS