戦中と戦後派のキリスト教音楽
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/23 23:17 UTC 版)
「キリスト教音楽」の記事における「戦中と戦後派のキリスト教音楽」の解説
20世紀中盤以降の宗教音楽はオリヴィエ・メシアンの存在をなくしては語れない。初期の「忘れられた捧げ物」から始まり、中期の大作「主イエズス・キリストの変容」を通して最晩年の大管弦楽曲「閃光の彼方に」までそのほとんどが現代音楽史上重要な作品である。またワーグナーの「パルシファル」やドビュッシーの「聖セバスティアンの殉教」などをモデルにした巨大な宗教オペラ「アッシジの聖フランチェスコ」の存在意義も大変重要である。メシアンはキリスト教的・カトリック的思想を時に独自のテキストで拡大しており、特に自身が多く研究した鳥との関連を持たせている。 20世紀は二つの大きな戦争を経験しており、特に第二次世界大戦以後には、宗教的題材にとどまらず時には宗教的思想を超えて、戦争の犠牲者への追悼的作品が多く作られた。イギリスのベンジャミン・ブリテンの「シンフォニア・ダ・レクイエム」や「戦争レクイエム」、ポーランドのクシシュトフ・ペンデレツキはその初期作品「ディエス・イレ(アウシュヴィッツ強制収容所の犠牲者に捧げる)」や「広島の犠牲者に捧げる哀歌」、中期以降の「ポーランド・レクイエム」など、またヘンリク・グレツキの交響曲第3番「悲歌のシンフォニー」などが挙げられる。これらは必ずしもキリスト教に基づくテキストを用いてはおらず、時にはそれ以外のテキストと折衷したもの、全くキリスト教以外のもの、題名だけキリスト教に基づく単語を借用したものなどがある。
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