憲法第29条3項の「正当な補償」とは? わかりやすく解説

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憲法第29条3項の「正当な補償」

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 23:14 UTC 版)

損失補償」の記事における「憲法第29条3項の「正当な補償」」の解説

憲法29第3項の「正当な補償の意味については、完全補償説、相当補償説、中間説みられる。 完全補償説完全補償説とは、憲法29第3項の「正当な補償」として必ず完全の補償をしなければならないとする学説である。 相当補償説相当補償説とは、憲法29第3項の「正当な補償」とは、公共必要性社会的・経済事情などを考慮して決められる合理的な相当額であるとする学説である。 中間説完全補償と相当補償二者択一的ではないとして損失補償原因となる財産権侵害ごとに完全な補償を必要とする場合と相当な補償足り場合があるとする学説が有力になっているその分類の基準について学説多岐にわたる学説傾向としては、特別の場合農地改革産業国有化社会化立法など社会変革目的とする場合)を除き、国の通常の政策実現に際して生ず損失の公平負担という見地からすれば収用等の前後財産価値増減がないということをもって正当な補償考え原則完全補償をとるべきとみられるようになっている判例では、最高裁農地改革における農地買収対価合憲性について「憲法二九条三項にいうところの財産権公共の用に供する場合正当な補償とは、その当時経済状態において成立することを考えられる価格に基き、合理的に算出された相当な額をいうのであって必しも常にかかる価格完全に一致することを要するものでない」と相当補償説の立場示した最大昭和28年12月23日民集第7巻13号1523頁)。しかし、土地収用法による損失補償については最高裁は「土地収用法における損失補償は、特定の公益必要な事業のために土地収用される場合、その収用によって当該土地所有者等が被る特別な犠牲回復をはかることを目的とするものであるから、完全な補償、すなわち、収用前後通じて収用者の財産価値等しくならしめるような補償をなすべきであり、金銭をもって補償する場合には、被収用者が近傍において被収用地と同等代替地等を取得することをうるに足り金額補償要する」と完全補償を必要としている(最判昭和48年10月18日民集279号1210頁)。

※この「憲法第29条3項の「正当な補償」」の解説は、「損失補償」の解説の一部です。
「憲法第29条3項の「正当な補償」」を含む「損失補償」の記事については、「損失補償」の概要を参照ください。

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