憲法第53条に基づく臨時会召集
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 23:07 UTC 版)
「臨時会」の記事における「憲法第53条に基づく臨時会召集」の解説
内閣は必要と認める時期に国会の臨時会の召集を決定することができる。 また、いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は召集を決定しなくてはならない(憲法第53条)。この場合には、臨時会召集要求書が議長から内閣へ即日送付されることになっている(衆議院先例集20)。内閣が召集しないときには臨時会召集要求補完書が送付される。 ただ、当該要求があってからいつまでに召集を決定しなければならないかの具体的期限を定めた法規定がないため、常会が近い場合などの状況により事実上見送りとなることもある。 議院の総議員の4分の1以上の要求があった例は2015年10月までに37回ある。その内34回については召集されたが、一方で2003年11月27日、2005年11月1日及び2015年10月21日の要求については、要求があったものの臨時会は召集されなかった。 政府見解では、合理的な期間内に常会が召集される場合には、臨時会を召集しなくても憲法違反にはならないとしている。議院の総議員の4分の1以上の要求による臨時会召集について「国会を召集しなくてはならないとするのであって、その国会が常会であるか、臨時会であるか、または特別会であるかは、そのいずれであっても、国会としての機能がまったく同じである以上、本条のあえて問題とするところではない」とする学説もある。一方で学説では「2~3週間(14日後から21日後まで)」と指摘するものがある。 その場合、臨時国会召集要求書提出の代表者に対して内閣官房長官から「常会を召集することを決定したので了承願う」旨の書面が送付されている。 要求から最も遅かった召集は、1970年6月1日に要求されたのに対して176日後の第3次佐藤内閣が11月24日に召集した第64回国会の例である。また、日本国憲法制定に大きく関わったGHQの下では1949年7月7日に要求されたのに対して第2次吉田内閣が110日後の10月25日に召集した第6回国会の例がある。 また2017年6月30日に召集要求があってから90日後の2017年9月28日に召集されてその当日に衆議院解散が行われる事態も起き、開会された上で審議される国会が実質的に召集されたのは要求から123日後の11月1日になった例もある。
※この「憲法第53条に基づく臨時会召集」の解説は、「臨時会」の解説の一部です。
「憲法第53条に基づく臨時会召集」を含む「臨時会」の記事については、「臨時会」の概要を参照ください。
- 憲法第53条に基づく臨時会召集のページへのリンク