想定される液体燃料
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/19 05:18 UTC 版)
「貴金属フリー液体燃料電池車」の記事における「想定される液体燃料」の解説
「FC商CASE」は、水加ヒドラジンを燃料にしていたが、「FC凸DECK(エフシー・デコ・デッキ)」は、ジアミノウレアも液体燃料に想定している。100%濃度の水加ヒドラジンにおける引火点は、常圧下で75℃であり、濃度を60%以下に希釈すると沸点においても引火しない。 水加ヒドラジンは、水素ガスと空気中の窒素ガスからアンモニア (NH3) を合成し、更に酸化させることで得られる。日本国内では、2万2千トン流通している。また、プラスチック製、ポリエチレン製、アルミニウム製、ステンレス鋼製の容器を用いて輸送される。用途には、半導体部品の酸化皮膜洗浄剤、農薬、発泡剤、重合触媒、医薬品の製造における原料、ボイラー水における腐食防止剤や、金属メッキの還元剤等がある。また、自動車安全装置のエアバッグ等のガス発生剤の原料としても使われる。 水加ヒドラジンは、土壌中において、粘土表面上で分解し、活性汚泥中の微生物によって生分解される。 水加ヒドラジンが人体に与える発癌リスクは、国際がん研究機関から発行されている報告書によると、ガソリンと同等の「グループ2B」に分類される。また、がん発生率調査では、水加ヒドラジンを製造する工場で働く従業員を調査対象とした場合、一般人と同等であることが確認されている。また、同様の調査対象において、水加ヒドラジンの曝露に関連する健康への影響は検出されていない。 一方、ジアミノウレアは、水加ヒドラジンより取り扱いがずっと楽であるが、出力は水加ヒドラジンに及ばない。当面、2種類の液体燃料は並行して開発が進められる。
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