性格-精神病理学モデル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 09:48 UTC 版)
「ビッグファイブ (心理学)」の記事における「性格-精神病理学モデル」の解説
性格と精神疾患の関係を説明するために、5つの主要なモデルが提示されている。それぞれが少なくともいくつかの実証的な支持があるため、現在、単一の「最良モデル」は存在しない。また、これらのモデルは互いに排他的ではないことに注意することも重要である。つまり、複数のモデルが特定の個人に作用している可能性があり、さまざまな精神疾患が異なるモデルによって説明されている可能性がある。 脆弱性/リスクモデル: このモデルによれば、性格は様々な一般的精神疾患の発症または病因に寄与する。言い換えれば、既存の人格特性はCMDを直接発生させるか、原因となるリスク要因の影響を高めるかのいずれかである。神経症傾向が強い脆弱性要因であるという強い支持がある。 病理形成モデル: このモデルは、病気になる前の性格特性が精神障害の発現、経過、重症度、そして治療における反応に影響を及ぼしていることについて提案している。この関係の例としては、抑圧レベルが低いうつ病患者の自殺の可能性が高くなることが挙げられる。 共通原因モデル: 共通原因モデルによれば、性格特性はCMDを予測する。これは、性格と精神病理が遺伝的・環境的な決定因子を共有しているためであり、その結果、2つの構成体の間に非因果的な関連が生じるためである。 連続体モデル: このモデルは、性格と精神病理の間の関連性が見出されることを提案している。なぜならば、これらの2つの構成物はどちらも単一の領域またはスペクトルを占有しており、精神病は単に正常な性格機能が極端に表されるからである。このモデルを支持する根拠は性格特性の尺度と精神病の基準が重複していることである。例えば、NEO-PI-Rにおける神経症傾向の主要なファセット尺度は、「抑うつ」と「不安」である。このように、うつ病、不安、神経症傾向の診断基準が同じ内容を評価するということは、これらの領域間の相関を高める。 傷痕モデル: 傷痕モデルによれば、精神障害を経験することは個人の性格を「傷つけ」、病気を経験する前の状態から大きく変化させる。瘢痕効果の例は、PTSDを経験した後に開放性が減少することであるとされる。
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