御犬囲とは - わかりやすく解説 Weblio辞書

犬小屋 (江戸幕府)

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 (2023/09/29 13:50 UTC 版)

犬小屋（いぬごや）は、江戸幕府が設置した犬を収容する施設。生類憐みに関する法令が出された5代将軍徳川綱吉政権期に設けられた。「御用屋敷」「御囲（おかこい）」「御犬囲」とも呼ばれ^[1]^[2]、特に中野に造られた犬小屋は「中野御用御屋敷」とも呼ばれた。犬小屋に収容された犬や、村預けされた犬（#村預け参照）は、当時の史料・記録に「御犬（おいぬ）」と記されており、野犬か飼犬かを問わず、犬小屋に収容されたことで幕府管理の犬となり、将軍の権威を帯びた「御犬」となった^[3]。

脚注

注釈

^ つきや、米つきをする小屋。
^ 生魚・干魚・鰹節・鱓（ごまめ）・塩・味噌
^ 『徳川太平記』では4人^[29]。
^ 東の御囲113棟と西の御囲177棟に分かれていた。
^ 東の御囲116棟と西の御囲179棟。建設に大工3319人半の労力を要した。
^ 中野区立歴史民俗資料館には、竹製の犬移送用の駕籠（復元）が所蔵されている。
^ 布地を重ねて刺し縫いした衣服。
^ 尾張藩家臣朝日重章が書いた日記。
^ 「小石川馬場のほとりに、去る十八日の夜、白狗二頭捨置きけり。こたび市井の犬点検し、犬小屋へ遣はされたれば、さる事かつてあるべからざる所に、かかるふるまひなせしは、いとひが事なれば、きびしく査検すべし。」
^ 江戸町の公役賦課の単位、1小間は約20坪
^ 今度火事地震に付き、町中困窮致すべく候間、当未之年は犬扶持御免の旨、御老中仰せ渡され候間、これに依り、先だって差し出し候出銀もあひ返すべく候間、右の趣、触れ知らすべく候。十二月七日

出典

^ ^a ^b ^c ^d 根崎光男著『生類憐みの世界』同成社、125頁。
^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g 「中野犬小屋の建設」根崎光男著『犬と鷹の江戸時代 <犬公方>綱吉と<鷹将軍>吉宗』吉川弘文館、82-85頁。
^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g ^h ⁱ ^j ^k 「犬小屋の建設」根崎光男著『犬と鷹の江戸時代 <犬公方>綱吉と<鷹将軍>吉宗』吉川弘文館、76-78頁。
^ ^a ^b ^c ^d 根崎光男著『生類憐みの世界』同成社、128頁。
^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g 「御犬様々」児玉幸多著『日本の歴史 16 元禄時代』中公文庫、328-333頁。
^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g 「犬小屋」大石学著『江戸幕府大事典』吉川弘文館、572頁。
^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f 「九犬政の民に及ぼしたる疾病苦（二）」徳富蘇峰著『近世日本国民史元禄時代政治篇』講談社学術文庫、214-218頁。
^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f 「犬小屋の管理」根崎光男著『犬と鷹の江戸時代 <犬公方>綱吉と<鷹将軍>吉宗』吉川弘文館、86-88頁。
^ 塚本学『生類をめぐる政治』（平凡社、1993年）218頁。
^ ^a ^b ^c 「生類憐みの令」『国史大辞典』第7巻吉川弘文館、654頁。
^ 「葬儀もおこなわれないうちに」小川和也著『儒学殺人事件堀田正俊と徳川綱吉』講談社、230-232頁。
^ 『新訂寛政重修諸家譜』第九株式会社続群書類従完成会、164頁。
^ 塚本学『生類をめぐる政治』（平凡社、1993年）212-214頁、232頁。『徳川実紀』第六編（吉川弘文館、1976年）元禄八年六月一日条。
^ ^a ^b 根崎光男著『生類憐みの世界』同成社、126頁。
^ ^a ^b 根崎光男著『生類憐みの世界』同成社、127頁。
^ 『徳川実紀』第六篇、「常憲院殿御実紀」。
^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f 「四谷・大久保の犬小屋」根崎光男著『犬と鷹の江戸時代 <犬公方>綱吉と<鷹将軍>吉宗』吉川弘文館、78-80頁。
^ ^a ^b ^c 角筈村の大筒調練場公益社団法人新宿法人
^ 根崎光男著『生類憐みの世界』同成社、127-128頁。
^ 『徳川実紀』「常憲院殿御実紀」元禄八年五月二十三日条。
^ 「改正甘露叢」元禄八年十月二十三日条（『内閣文庫所蔵史籍叢刊』四十七。「柳営日次記」）。
^ 「柳営日次記」元禄八年十一月十三日条。
^ ^a ^b ^c 「中野犬小屋の用地」根崎光男著『犬と鷹の江戸時代 <犬公方>綱吉と<鷹将軍>吉宗』吉川弘文館、80-81頁。
^ 日本の犬小屋はなぜ三角屋根なのか澤村明、新潟大学経済論集、第99号 2015－
^ 「常憲院殿御実紀」元禄八年十月二十九日条。
^ 『徳川実紀』「常憲院殿御実紀」元禄八年五月二十三日条。
^ ^a ^b ^c 「六犬か人か（一）」徳富蘇峰著『近世日本国民史元禄時代政治篇』講談社学術文庫、201-204頁。
^ ^a ^b 根崎光男著『生類憐みの世界』同成社、129頁。
^ 九犬政の民に及ぼしたる疾病苦（二）」徳富蘇峰著『近世日本国民史元禄時代政治篇』講談社学術文庫、214-218頁
^ ^a ^b ^c ^d ^e 根崎光男著『生類憐みの世界』同成社、130頁。
^ 「改正甘露叢」元禄八年十一月十一日条（『内閣文庫所蔵史籍叢刊』四十七）。
^ 「改正甘露叢」元禄八年十一月十三日条（『内閣文庫所蔵史籍叢刊』四十七）。
^ ^a ^b 根崎光男著『生類憐みの世界』同成社、131頁。
^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f 「犬小屋の構造」根崎光男著『犬と鷹の江戸時代 <犬公方>綱吉と<鷹将軍>吉宗』吉川弘文館、88-91頁。
^ 元禄十年四月二十五日作成の中野村名主堀江家文書より。実物は所在不明で、首都大学東京図書館と中野区立歴史民俗資料館に写真版が所蔵されている。
^ 根崎光男著『生類憐みの世界』同成社、130-131頁。
^ ^a ^b ^c ^d 根崎光男著『生類憐みの世界』同成社、136頁。
^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g ^h ⁱ ^j 「巨大犬小屋作戦」山室恭子著『黄門さまと犬公方』文春新書、158-161頁。
^ ^a ^b ^c ^d 「犬の収容と移送」根崎光男著『犬と鷹の江戸時代 <犬公方>綱吉と<鷹将軍>吉宗』吉川弘文館、91-93頁。
^ ^a ^b ^c ^d 根崎光男著『生類憐みの世界』同成社、131-132頁。
^ 『正宝事録』第一巻（近世史料研究会編、日本学術振興会、1965年）九三三号、337頁。
^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f 根崎光男著『生類憐みの世界』同成社、133頁。
^ 戸田茂睡『御当代記』（塚本学編、東洋文庫六四三、平凡社、1998年、137頁。
^ ^a ^b ^c 「放鷹制度の廃止と犬」福田千鶴著『徳川綱吉犬を愛護した江戸幕府五代将軍』山川出版社、51-54頁。
^ ^a ^b ^c ^d 根崎光男著『生類憐みの世界』同成社、132-133頁。
^ 「死罪十三件」山室恭子著『黄門さまと犬公方』文春新書、179-185頁。
^ 山室恭子著『黄門さまと犬公方』文春新書、124頁
^ ^a ^b ^c ^d ^e 「犬の餌とその経費」根崎光男著『犬と鷹の江戸時代 <犬公方>綱吉と<鷹将軍>吉宗』吉川弘文館、93-94頁。
^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g 「御犬上ヶ金と犬扶持」根崎光男著『犬と鷹の江戸時代 <犬公方>綱吉と<鷹将軍>吉宗』吉川弘文館、94-96頁。
^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g 根崎光男著『生類憐みの世界』同成社、134頁。
^ ^a ^b ^c 「犬扶持」『国史大辞典』第7巻吉川弘文館、749頁。
^ ^a ^b 「犬扶持免除」山室恭子著『黄門さまと犬公方』文春新書、199-201頁。
^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g 根崎光男著『生類憐みの世界』同成社、135頁。
^ 根崎光男著『生類憐みの世界』同成社、135-136頁。
^ ^a ^b 「預かり犬養育の誓約書」根崎光男著『犬と鷹の江戸時代 <犬公方>綱吉と<鷹将軍>吉宗』吉川弘文館、100-101頁。
^ 「預かり犬養育の誓約書」根崎光男著『犬と鷹の江戸時代 <犬公方>綱吉と<鷹将軍>吉宗』吉川弘文館、99-100頁。文書の後半は欠落しているので、実際にはさらに多い。
^ ^a ^b 山室恭子著『黄門さまと犬公方』文春新書、222-225頁。
^ ^a ^b ^c ^d 「犬小屋の解体」根崎光男著『犬と鷹の江戸時代 <犬公方>綱吉と<鷹将軍>吉宗』吉川弘文館、108-110頁。
^ 『なかのものがたり』中野区教育委員会、38-39頁。
^ ^a ^b ^c 「「御犬」の始末」根崎光男著『犬と鷹の江戸時代 <犬公方>綱吉と<鷹将軍>吉宗』吉川弘文館、110-111頁。
^ 「当丑ノ正月中御囲相止申候ニ付、御囲内之御犬分散被仰付、依之私共御預り御犬之義も其積り被思召」（堀江家文書B一七五）
^ 中野区役所ホームページ - なかの物語　其の五　徳川将軍家と中野