御前崎軌道
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/28 02:37 UTC 版)
「堀之内軌道」も参照 御前崎軌道株式会社は小笠郡西方村(現・菊川市)にあった会社で、社名の通り元は鉄道会社であった。東海道本線堀ノ内駅(現・菊川駅)を起点に南へ小笠郡南山村(現・菊川市)まで伸びる馬車鉄道の敷設を目的に、1898年(明治31年)9月21日に設立された城東馬車鉄道が起源。1917年(大正6年)1月20日、榛原郡御前崎村(現・御前崎市)への延伸を目指し御前崎軌道と社名を改めた。このとき経営陣の刷新と15万円への増資も行われている。 規模を拡大した御前崎軌道では馬車鉄道の電化を目指した。それと同時に電気供給事業への参入も図り、1917年6月日英水電と受電契約を締結する。2年後の1919年4月、小笠郡土方村(現・掛川市)ほか17村を供給区域として兼営電気供給事業を開業した。さらに翌1920年6月28日付で南遠電気を合併し(合併後の資本金30万円)、供給区域を拡大している。この南遠電気は1913年12月6日、御前崎村に資本金5万円で設立され、1916年12月に御前崎村とその周辺を供給区域として開業していた。合併後、1921年6月時点における御前崎軌道の供給区域は小笠郡・榛原郡の計26村で、日英水電を合併した早川電力と榛原郡川崎町(現・牧之原市)の東遠電気からの受電を電源とした。 供給事業拡大の一方、鉄道事業では路線延長・電化のどちらも実現しないままであった。1921年11月28日、御前崎軌道の鉄道事業は経営陣がほぼ同じ新会社・堀之内軌道運輸へと譲渡される。御前崎軌道の会社本体については同年11月8日付で静岡電力との間に合併契約を締結、25日両社株主総会にて合併議決ののち、翌1922年2月25日付で合併が成立し解散した。合併に伴う静岡電力の増資額は200万円で、合併後の資本金は1500万円となった。
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