形態群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/12/15 09:24 UTC 版)
植物の化石は動物の化石と多くの点で異なる。違いの原因の一因は植物の構造にある。動物は特定の器官を備えて発達する。幼体も成体も器官は同じで、数や配置は固定されている。変態を行う動物の場合でも、頭は一つであり、一定の体の構造で発生する。これに対し、植物は生育期間を通じて新しい枝・葉などを生やす。これらの部分は事故がなくても植物本体から落ちたりする。このため、植物化石はしばしば葉、枝、花粉などの断片的なものになる。 葉・茎・胞子・種などの化石が、それが発生した植物本体と別々に発見されることがままある。このため古植物学者は、これらを分類し名前をつけるために、形態群(form taxa, 単数はform taxon)として扱う。後に、別々に名付けられた複数の化石が同一であると判明した時は、これらの形態群は統合される。たとえば、1960年代に葉の化石Archaeopteris(「古代のシダ」の意味)が、樹木の化石Callixylonに付いていたことが判明した。この植物は現在では、シダ状の葉に、裸子植物的な幹があったと考えられている。 いくつかの形態群は、その正体が明らかになった後でも使用され続けることがある。これは、どの部分の化石が見つかったかすぐわかるためである。特に、その化石が複数の種のどれに属するかわからない時がある。Sphenopterisと形態群名が付けられた葉の化石は、シダ類のものの場合と種子植物のものの場合がある。通常、単独の化石からは、どちらに属するか判定できない。
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