建築・土木
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 16:24 UTC 版)
建築物では、その見た目の良さを理由に外装用・内装用ともにステンレス鋼が使われている。外装用としては、特に屋根用やファサード用にステンレス鋼が古くから使われてきた。ニューヨークのクライスラー・ビルディングは、外装にステンレス鋼を採用した最初の著名な建築物として知られる。クライスラー・ビルディングの尖塔外装にオーステナイト系が使われており、1930年代に建てられて海岸地帯に存在するにも関わらず、今日も輝きを保っている。一方、建築物の荷重を支える構造材料では普通鋼が主流である。近年では鉄筋コンクリートに使われるステンレス製の異形鉄筋が実用化されており、構造材用途向けのステンレス鋼適用拡大が検討されている。 建物内部では、ドアノブ、蝶番、換気口、窓枠、クレセント、カーテンレール、手すりなど、様々な建築金物にステンレス鋼が使われている。普通鋼や表面処理鋼が昔は使われていたが、腐食対策や高級志向から、ドアノブのような目立つ箇所にはステンレス鋼が使われるようになった。ビルの内装材としてはヘアライン仕上げのステンレス鋼が主に用いられるが、入り口やエレベーター周辺では鏡面仕上げのステンレス鋼もアクセントとして用いられることもある。 土木分野では、水門の扉体・戸当り、橋梁の高欄(手すり)で、美観維持とメンテナンスフリーのためにステンレス鋼が使われている。公共施設や公園にある案内板といったものも、保全コストの削減のためにステンレス鋼化が進んでいる。 ドーム球場やコンベンション・センターのような大型建造物の屋根も、メンテナンスフリーや美観の向上のために、ステンレス鋼使用が浸透している。屋根は日射や気温による温度変化が起こるため、大型の屋根では熱膨張率の低いフェライト系の使用が望ましい。海浜地区などの腐食が厳しい場所に建てられる場合は、高耐食ステンレス鋼や塗装ステンレス鋼が適用される。
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