建て替え問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/28 00:25 UTC 版)
「中銀カプセルタワービル」の記事における「建て替え問題」の解説
竣工後30年が経過し、設備の老朽化と外壁内側の壁・天井・床全面にふき付けアスベストが使用されていることが問題となり、建て替えが検討されることになった。6階のある部屋は2005年4月7日の東京労働安全衛生センターのアスベスト濃度測定で300f/L(リッター中のアスベストが300本空気中に存在する)という許容値の10倍といった高濃度の結果が出た。それに対して設計者の黒川は、メタボリズムの設計思想に基づいてカプセルの交換によって問題を解決することを居住者側に求めたが、2006年9月に開催されたマンションの区分所有者の総会で建て替えが決まったと報道された。しかし、実際には過半数の所有者が賛成したに過ぎず、区分所有法で定められている議決権及び区分所有者の80%以上の賛成を得ていないため、建て替えるか否かは決まっていなかった。 その後、2007年4月には区分所有者の80%以上の賛成を得て建て替えが決議され、地上14階建てのビルに建て替えられる方向で計画された。しかし、跡地にマンションを建築する予定だったゼネコンが倒産。建て替えのないまま2年が経過し、決議は2009年に無効となった。 2014年、取り壊しに反対する保存派の所有者・住人を中心に「中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト」が結成された。クラウドファンディングで寄付を集めた際には、目標150万円に対して最終的に200万円以上が集まるなど、取り壊さず保存すべきとの意見も根強い。 2014年12月の管理組合総会において、建て替えか大規模修繕かの決議が再度行われる見込みであったが大規模修繕は否決された。 2015年には(管理組合は禁止しているが)Airbnbを利用したカプセルの利用に人気が集まった。 2021年3月、解体・建て替えを計画する不動産業者への売却が決議され、住人の退去が進んだ。 2022年2月時点では、隣接する中銀本社ビル・城山ビルの解体工事が始まっており、現地の標識によると「(仮称)中銀カプセルタワー解体工事(I期:中銀本社ビル・城山ビル)」となっており、中銀カプセルタワー自体も解体工事の計画に含まれていることが確認できる。
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