年代と作者の推測とは? わかりやすく解説

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年代と作者の推測

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 16:05 UTC 版)

サモトラケのニケ」の記事における「年代と作者の推測」の解説

この彫像について記述した古文書発見されていないため、様式および傍証から年代推定することしかできない。まず、デメトリオス1世ポリオルケテスの貨幣が、この像を表しているのではないか考えられデメトリオス1世海戦勝利を祝って建造した推測する説があった。この説によれば彫像紀元前4世紀終わりから紀元前3世紀初頭の作ということになり、サモトラケ島活動していたスコパス弟子など該当する可能性がある。しかしながらサモトラケ島当時デメトリオス敵対関係にあったリシマクス(リュシマコス)の支配下にあり、ここにデメトリオスが像を建立したとは考えにくい。 次にロードス島リンドス発見された船を象った浮き彫り形態台座大理石由来から、彫像ロードス島のものであり、コス島シデ英語版)、あるいはミヨニソス(英語版)での勝利を祝したものと考える説がある。年代それぞれ紀元前261年頃、紀元前190年おなじく紀元前190年である。 この時期大プリニウスにも言及されている チモカリス息子ピトクリトスが彫刻家として活動していた時期符合する。ピトクリトスはリンドスアクロポリス彫像を手がけたことでも知られている。そしてシャンポワゾは1892年彫像直近からロードス島ラルトス産の大理石断片発見したが、これには「…Σ ΡΟΔΙΟΣ / …S RHODIOS」という表記があり、「ロードスのピトクリトス」に符合する可能性を示すものとして注目された。しかしながら、この断片ニケ彫像置かれていたエクセドラ半円状突出した建築部位)の関係は明らかではなくとりわけ、この断片小さな凹部はそれが小像の台座であることを物語っている。 他に、この彫像アンティゴノス2世ゴナタス奉納物であるとする説がある。すなわち紀元前250年代コス島でのプトレマイオス2世対す勝利記念物である。アンティゴノス2世デロス島彫像建立していることから、アンティゴノス朝伝統的に守ってきた聖域であるサモトラケ島にも同様なことを行っていたと考えることは可能である。 他の検討可能性として、ニケ彫像ペルガモン大祭壇のフリーズ彫られ人物像比較する研究者もいた。

※この「年代と作者の推測」の解説は、「サモトラケのニケ」の解説の一部です。
「年代と作者の推測」を含む「サモトラケのニケ」の記事については、「サモトラケのニケ」の概要を参照ください。

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