差別意識に対する取り組み
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/01 06:14 UTC 版)
人種差別に対する問題意識から、人種・個人差・日焼けの度合いによって肌の色は異なるのに特定の色を肌色(フレッシュ)と規定することはおかしい、としてこの名称を避ける動きがあり、クレヨン・色鉛筆・絵具等で従来の肌色を薄橙(うすだいだい)やペールオレンジ (pale orange) 等と言い換える場合がある。アメリカでは、たとえば1962年にCrayola社は肌色に相当する flesh の呼称を“peach”(ピーチ)と呼び変えている。 日本では、2000年にトンボ鉛筆・三菱鉛筆・サクラクレパスが協議の結果として「はだいろ(肌色)」の呼称を「うすだいだい」に切り替えたのを契機に、「肌色」の呼称を取りやめる動きが広がり、2005年から2006年頃には全てのクレヨンからこの呼称が撤廃された。 近年の韓国でも、「肌色」を意味する 살색 は、「軟朱黄色」を意味する 연주황색 か、「あんず色」を意味する 살구색 に言い換えられるようになっている。 江戸時代以前、仏教が広く一般に広まるまでのかつての日本において、この色は「宍色(ししいろ)」と呼ばれていた。「宍色」とは獣の肉色の意味である。肉食を禁じられた人々は、これに代わる呼び名を考えた。そして考え出されたのが「肌色」という呼び名である。「肌色」という呼称を日本人が理想の肌の色として育んできた、文化として守る価値のある概念であると考える意見もあり、呼称改正の動きに反対する主張もあったという。
※この「差別意識に対する取り組み」の解説は、「肌色」の解説の一部です。
「差別意識に対する取り組み」を含む「肌色」の記事については、「肌色」の概要を参照ください。
- 差別意識に対する取り組みのページへのリンク