巨大数の表記法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/22 01:59 UTC 版)
科学技術分野において大きな数量を表す際には指数表記が使われるが、非常に巨大な数(例えばスキューズ数)はもはや指数で表記しても巨大な数量となってしまい、二重指数関数やそれ以上の関数を用いた表記が必要となる。特に現実世界の事物で例えることが不可能なほどの巨大数の表現が可能である表記法については、例えば以下のような事例がある: ルーディ・ラッカーは10Nを「N-plex」と呼ぶことを提案した。 クヌースの矢印表記は、指数の積み重なりである指数タワーを記述するための、非常に単純な表記法である。 ハイパー演算子は、加法の繰り返しで乗法、乗法の繰り返しで冪乗を作ることを発展し、新たな演算を作っていくものであり、本質的にはクヌースの矢印表記の別表記である。 コンウェイのチェーン表記は、クヌースの矢印表記の「矢印の増加」そのものの繰り返し、『「矢印の増加」に繰り返しを入れること』の繰り返しなどを表現できるようにし、さらに巨大な数を表せるようにしたものである。 スタインハウス・モーザーの多角形表記は、巨大数を示すために多角形を使用している。 超階乗は階乗を拡張したものである。 アッカーマン関数は、どのような原始再帰関数よりも早く増大する帰納的関数の例である。すなわち、どのような原始再帰関数であっても、その引数が十分大きいならば、アッカーマン関数の方が値が大きくなる。 配列表記はコンウェイのチェーン表記およびその拡張表記よりも効率的に数の大きさを爆発させることができるようにした記法であり、アッカーマン関数の拡張である多変数アッカーマン関数と同程度の増加速度である。 BEAFは配列表記の拡張の最終形態の一つである。 急成長階層は、順序数でパラメータ付けられた自然数関数の階層であり、最初のω層の合併が原始再帰関数のクラスに一致することと、より大きい順序数で添え字づけられた関数は小さいものを最終的に支配する(eventually majorize)という性質を持つために巨大数およびそれを生み出す関数の大小評価に用いられる。
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