巨大な主翼
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/07 21:51 UTC 版)
主翼は矩形翼で、アスペクト比は6.4、翼長1470mm、翼弦は230mm程ある。翼面積は33.6dm2で、09クラスRC機のうち小さいものから見れば2倍近い面積がある。 翼面積が大きいという点だけでも低速飛行に有利である。揚力は対気速度の自乗に比例し、翼面積に比例する。すなわち最低飛行速度は翼面荷重(=全備重量÷翼面積)の平方根に比例するからである。 さらに、翼弦長も通常の09クラスRC機より相当大きい。これはレイノルズ数を増加させ、結果的に翼の性能を向上させる。 レイノルズ数は翼弦長と対気速度の積に定数を乗ずることで求められる数である。一般にレイノルズ数が増大すると同じ翼でも揚抗比が改善し、逆にレイノルズ数が一定値(クリチカル・レイノルズ数、翼型により異なる)を下回ると極端に翼の性能が低下するため、レイノルズ数を下げないことは重要である。モスキートモス号では翼弦長を大きくすることで、低い飛行速度による不利をある程度相殺している。 またこれは現行のムサシノ模型飛行機研究所製機体に共通するが、主翼構造はDチューブを採用しており、サイズからすれば軽量な220g前後の重量であるのに、翼の強度、剛性は高く、乱暴な操縦どころか相当の墜落にも耐える強度を持っている。 さらに矩形翼、翼端上反角の採用はいずれも翼端失速の防止に貢献しており、水平飛行時に故意に失速させても、相当な低速急旋回時にも翼端失速を起こして危険な状態に入ることはほぼ無く、失速特性は優秀である。逆に言えばスピンに入れることは容易ではない(が、不可能ではない)。
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