巨大なレプトケファルス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/29 15:49 UTC 版)
「レプトケファルス」の記事における「巨大なレプトケファルス」の解説
1928年から1930年にかけてデンマークの調査船ダナ号による海洋調査が行われた。1930年1月31日、そのダナ号によってセント・ヘレナ島付近で1.8 mもある非常に大きなレプトケファルスが捕獲され、大きな反響を呼んだ。それまで知られていたウナギ類のレプトケファルスは成長後には数十倍の大きさになることから、この巨大なレプトケファルスが成体になった場合には体長が数十mにもなると予想され、伝説のシーサーペント(大海蛇)の正体がこれで判明した、と報じる新聞もあった。その後も巨大なレプトケファルスの標本はたびたび採取されたが、その成体の姿は謎のままだった。 事態が進展したのは最初の発見からおよそ30年後のことだった。1960年代半ばになって、偶然にも変態途中の巨大レプトケファルスが採取されたのである。そしてその身体の特徴は、この幼生がソコギス亜目魚類の仔魚である可能性を強く示唆していた。あらためて詳細な調査と研究が行われた結果、 ソコギス亜目魚類もレプトケファルス期を経て成長する。 そのためウナギ目とソコギス亜目には近い類縁関係が認められる。 ウナギ類はレプトケファルス幼体からの変態後に大きく成長する一方で、ソコギス類はレプトケファルス期において成体サイズまでの成長を行い、変態後はほとんど成長しない。 などの事実が判明した。それまで見つかった巨大レプトケファルス標本も再調査の結果、ソコギス亜目魚類の幼体であることが明らかになり、シーサーペントは再び伝説上の存在となった。その後、同じくレプトケファルス期を持つことがわかったカライワシ類などと共に、これらの仲間はレプトケファルス期を持つことを共通形質とするカライワシ上目という分類群にまとめられている。
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