山田康雄・イーストウッド関連
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「多田野曜平」の記事における「山田康雄・イーストウッド関連」の解説
2009年に『夕陽コレクターズBOX』が発売し、『夕陽のガンマン』『続・夕陽のガンマン』の2作品において、当時カットされた日本語吹き替えの追加収録が行うこととなったが、クリント・イーストウッドの専属声優であった山田康雄が逝去しているため、代役として多田野が追加収録部分でイーストウッドの声を担当することとなった。 多田野が代役に選ばれた理由は、多田野が担当したアニメ『姫様ご用心』のレスリーの声を聞いて、発売元である20世紀フォックスの担当者が「山田に雰囲気が似ている」「(山田の代表作である)ルパン三世のような口調」と評したため、一発で「多田野さんにお願いしたい」ということになり依頼したという。多田野本人は、なぜ自分が選ばれたのかをインタビューで言及されるまで知らなかったため、理由を知った際には「なるほど、ありがとうございます(笑)」と話している。 この追加収録で多田野は、イーストウッドの声を演じるのは夢であり「心底うれしい。演じたくてしょうがなかった」と公言している。また、このイーストウッドの吹き替えを行うにあたり、「イーストウッドを演じることは、山田さんを演じるということ。山田さんが持っている雰囲気をどうやって出すか、近づけるか…」ということを考え、彼の声を持っている色気やガンマンという設定に気をつけて演じるため、『夕陽のガンマン』を朝から晩まで見ていた。一方で弊害もあったといい、本番を数日後に控えた舞台稽古で、「演技が山田さんの真似のようになってしまい、共演者からのダメ出しが凄かった」と語っている。 本人は昔からイーストウッドが好きで、彼の主演作をいつも見ていたほどでもある。特に、『荒野の用心棒』『マンハッタン無宿』『戦略大作戦』『ダーティハリー』『ガントレット』の5作品は好きだと公言している。また、演じたい俳優として「スティーブ・ブシェミ、ピーター・フォンダなどもいろいろあるが、特にイーストウッドの声は今後も担当してみたい」と語ったこともある。 上記の追加収録以降、2009年に発売された『イージー・ライダー』のBlu-ray Discや、2012年に放送された『ダーティ・ハリーシリーズ』など、地上波放送時にカットされていた部分を、山田の代役として多田野が担当することが増えている。 2012年にはアニメ映画『モンティ・パイソン ある嘘つきの物語 グレアム・チャップマン自伝』で、山田の持ち役であったグレアム・チャップマンの吹き替えを引き継いだ。そして、2017年に放送された『白い肌の異常な夜』のイマジカBS新録版では、初めてイーストウッドの全編吹き替えを担当した。その後「運び屋」ではイーストウッド主演新作映画初の全編吹き替えを担当した。 山田は劇団の先輩にあたるが、1990年に多田野が劇団の研究生になった時点では既に舞台に立っておらず、共演はなかった。ただし、毎年末に1度劇団員全員が揃う「総会」では山田と一緒になった際、「一人で強烈な印象があった」と語っている。また、「これでみんなで飲んでくれ」と言って札束で飲み代を進呈するなど、「豪気な人だった」とも語っている。 『運び屋』は多田野にとって初となる、山田が吹き替えに全く関わっていないイーストウッド主演映画の吹き替えであるが、多田野はあくまでも「100%山田さんリスペクトで演じています」と語り、吹き替えについては「活き活きしている頃のイーストウッドよりも、(本作での)年齢を重ねたイーストウッドの方がやりやすかったです」と話している。また、「山田さんの代役として参加した追加収録の方が、よっぽど辛いです」とも話している。
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