展開中の作戦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 21:02 UTC 版)
「国際連合レバノン暫定駐留軍」の記事における「展開中の作戦」の解説
UNIFILは現在、イスラエル軍とヒズボラとの間の兵力引き離し任務にあたっている。この他には、地雷の撤去、難民保護、人道援助の供給などを主な任務としている。 組織は2006年4月30日時点では1991人の兵士と50人の国際連合休戦監視機構(UNTSO)監視員、390人の文民で構成されている。 部隊を派遣している諸国は、中華人民共和国、フランス、フィンランド、ガーナ、インド、アイルランド、イタリア、ポーランドである。年間予算は1億ドルに達する。司令官はベイルート駐在のフランス駐在武官およびフランス情報部の中東局長であった、フランス軍のアラン・ペジェグリニ少将が務めている。 2006年7月まで、部隊には261人の死者が発生しており、そのうち12人は文民であった。 イスラエル軍はUNIFILの存在を快く思っておらず、その安全に対してほとんど注意を払っていないとの報道が存在する。 イスラエル軍がこのような態度をとっているのは、2000年10月に発生したヒズボラによるイスラエル軍兵士の誘拐事件において、UNIFILが消極的な姿勢を見せ、さらには共謀さえしたのではないかとの疑念が元となっているとされる。国際連合は調査報告において正式にこの疑問を払拭しているが、イスラエルにおける疑惑は晴れていない。 2006年7月に開始されたイスラエル軍によるレバノン侵攻に先立って、イスラエル政府はUNIFILがヒズボラに対してより強硬な姿勢をとるか、それが不可能であるならば同地域から撤退するようにとの要請を国際連合で行っている。 イスラエル軍の侵攻が開始されると、UNIFILの活動はほぼ不可能となっており、より強力な武装をした平和維持軍部隊(PKF)を派遣するべきだとの意見が提出されている。紛争は1ヶ月で停戦に至ったが、イスラエルのエフード・オルメルト首相は、国際連合に対して、レバノン私兵組織の武装解除を定めた決議1559の遵守を要請しており、これを停戦の主要条件であると表明している。 停戦後、犠牲が増えることを嫌い、200名程度の工兵部隊の派遣に留めたフランスに代わり、イタリアが2000人規模で派兵を行っている。2007年3月には、指揮権がフランス軍からイタリア軍へ移譲される予定である。
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