局所凸位相
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/12 07:34 UTC 版)
実または複素線型位相空間 E の部分集合 S で、任意の2点 x, y ∈ S に対しその間の線分 { t x + ( 1 − t ) y : t ∈ [ 0 , 1 ] } {\displaystyle \{tx+(1-t)y:t\in [0,1]\}} を含むようなものは凸集合とよばれる。0 を含むような凸集合 S については、 均衡な凸集合 任意の |λ| ≤ 1 なる数 λ について λS が S に含まれるならば S は均衡 (balanced) であるという。 併呑な凸集合 S の拡大 r.S (r ∈ R) たちが E をおおっているならば S は E を併呑 (absorbent) するという。 という条件を考えることができる。様々な具体的な関数空間に対し、0 近傍系としてこれらの条件を満たすような集合たちからなるものをとることができる。 均衡かつ併呑な凸閉集合を樽という。樽は必ず 0 を含む。E 上の正実数値写像で、劣加法性 p(x + y) ≤ p(x) + p(y) をもち、スケーリングと両立している p(λx) = |λ|p(x) ものは半ノルムとよばれる。下半連続半ノルム p が与えられたとき、p(x) ≤ 1 によって指定される集合は樽となる。逆に、樽 S が与えられたとき、 p(x) =inf{r ≥ 0 | x ∈ r.S} によって定められる E から R への写像(ミンコフスキー汎関数)は下半連続半ノルムになる。 0 の近傍の基本系が樽の部分集合族から取れる線型位相空間を局所凸空間という。更に,全ての樽が 0 の近傍となる空間を樽型空間という。局所凸空間の位相は半ノルムの族 (pi)i によって指定されることになる。このような空間に対してハーン・バナッハの定理がなりたち、連続な汎関数が十分に多くあることが示される。
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