小穴隆一とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 人名 > 美術家 > 画家 > 日本の画家 > 小穴隆一の意味・解説 

小穴隆一

読み方おあな りゅういち

洋画家装幀家長野県生。号は一遊亭。二科会第一回展より出品、のち春陽会移り会員となる。俳句誌『海紅』に描いた挿絵が縁で芥川龍之介知り合い短編集夜来の花』以後龍之介著作集のほとんどの装幀を手がけた。『二つの絵-芥川龍之介回想-』等の著がある。昭和41年(1966)歿、71才。

小穴隆一

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/14 09:19 UTC 版)

小穴 隆一(おあな りゅういち、1894年11月28日 - 1966年4月24日)は、日本の洋画家随筆家俳人。俳号は一游亭。

経歴

長野県で生まれ、長野県塩尻市出身の祖父のもと、北海道函館市で育つ[1]。父は中山道洗馬宿(現在の塩尻市宗賀)の旧家である志村家の出だった。

旧制開成中学校中退。太平洋画会研究所にて中村不折に師事。二科展には第1回から出品。のち春陽会に移る。

1919年瀧井孝作に連れられて東京田端芥川龍之介邸を訪れ、以後芥川の無二の親友となる。誕生日が芥川の母の命日だったため、芥川から「僕の母の生まれかはりではないかと思ふよ」[2]と言われていた。

1921年の『夜来の花』以降、芥川の著書の装丁を担当。1922年、親友芥川龍之介をモデルに『白衣』を制作、この作品を二科展に出品して話題となる。同年、芥川は次男が誕生したとき、隆一の名に因んで多加志と命名した。

1923年脱疽のため右足を足首から切断。以後、義足を使用するようになる。

1926年、芥川が神奈川県鵠沼の旅館東屋の貸別荘「イ-4号」を借りると、隣接する「イ-2号」を借りて住む。「蜃気楼--或は「続海のほとり」--」に出てくる「O君」が小穴のことである。翌年、芥川が田端に引き揚げると、小穴も東京に戻った。

1927年、芥川が子供たちに「小穴隆一を父と思へ。従つて小穴の教訓に従ふべし」との遺書を残して自殺。以後、芥川の遺族と親しく交際。しかし芥川の甥である葛巻義敏とは険悪な関係だった。1933年、文士賭博事件により久米正雄里見弴らとともに検挙され、罰金刑となる。

1956年、著書『二つの絵』(中央公論社1956年)の中で芥川が私生児だったという説を発表し、波紋を呼ぶ。その他の著書に『白いたんぽぽ』(日本出版協同、1954年)などがある。

このほか、画家としては宮沢賢治坪田譲治の作品に挿絵を描いた。

主な作品

著書

  • 『鯨のお詣り』(随筆集)中央公論社、1940年
  • 『白いたんぽぽ』(随筆集) 日本出版協同、1954年
  • 『二つの絵:芥川竜之介の回想』 中央公論社、1956年
  • 『芥川竜之介遺墨』 中央公論社、1960年

挿絵

  • 『夜来の花』(短編集) 芥川龍之介 著、新潮社、1921年
  • 『三つの宝』(童話集) 芥川龍之介 著、改造社、1922年
  • 『子供の四季』 都新聞(連載)、1938年
  • 『風の又三郎』(童話集) 宮澤賢治 著、坪田譲治 解説、羽田書店、1939年
  • 『ビハの實』 坪田讓治 著、中央公論社、1941年
  • 『ねむりねこ』 真船豊 著、小山書店、1948年
  • 『オランダとけいとが』(童話集) 小学館、1948年
  • 『虎彦龍彦』 坪田譲治 著、桐書房、1949年
  • 『四羽の小鳥』 坪田譲治 著、新潮社、1949年
  • 『春の夢秋の夢』 坪田譲治 著、新潮社、1949年
  • 『雪国のおんどり』 浜田広介 著、講談社、1949年
  • 『白』(童話集) 芥川龍之介 著、中央公論社、1949年

洋画

脚注

  1. ^ a b (1月~3月)「第33回坪田譲治文学賞記念 坪田譲治展 坪田譲治と小穴隆一:名作『子供の四季』の背景」”. 岡山市. 2021年6月20日閲覧。
  2. ^ 小穴隆一『二つの絵』p.127(中央公論社1956年

外部リンク




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「小穴隆一」の関連用語

小穴隆一のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



小穴隆一のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
株式会社思文閣株式会社思文閣
Copyright(c)2025 SHIBUNKAKU Co., Ltd. ALL RIGHTS RESERVED.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの小穴隆一 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS