【対称翼】(たいしょうよく)
主翼の一種で、表面と裏面の面形状が同一のもの。
すなわちキャンバーがゼロ、上反角あるいは下反角もゼロの翼である。
裏返しても表と同じ空力特性を持つため、背面飛行においても通常飛行と同様の揚力を発生させることができる。
反面、対称形であるがゆえに迎え角を大きくしないと揚力を発生せず、一般的な翼に比べて抗力が大きくなってしまうという欠点がある。
また上反角もないのでロールの安定性が悪く、横滑りもしやすい。
このため、背面飛行や横滑りなどを頻繁におこなう曲技機専用の翼と言ってよい。
また対称翼のようにキャンバーが小さい翼には、迎え角が変化しても揚力中心が変化しづらいという特長があり、ピッチの安定性がよい。
このため全翼機などのピッチ制御が難しい機体には、対称翼に近い形状の主翼が用いられる。
また回転翼機のローターも、設計や制御の容易な対称翼形を採用することが多い。
対称翼
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/03 05:13 UTC 版)
中心線に関し上面と下面の形状が対称な翼型。中心線と翼弦が一致しキャンバーはゼロ。 飛行時(背面飛行を含む)には適切な迎角姿勢を取ることで揚力を得る。このため一般的な翼型と比べると抗力が大きい。 一般的な翼型は迎え角がプラスに増加するとともに風圧中心が前縁側に移動するが、対称翼の場合移動量が少ないという特徴がある。したがって重心と揚力のバランスの変化が少なく、縦安定性が良い。これらの特性はエアロバティックやエアレースなどでは有利に働くため、これらの競技に特化した機種に使われている。
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