対峙と小競り合い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/15 01:47 UTC 版)
1月15日、南ベトナム海軍の哨戒艦リ・トン・キェト(en, 漢字表記:李常傑, 旧アメリカ海軍バーネガット級水上機母艦(英語版)チンコテーグ(en))が、西沙諸島を哨戒に訪れた。すると永楽群島の甘泉島(ロバーツ島)に中国国旗が掲揚されており、沖に中国の大型漁船402号と407号が碇泊しているのを発見した。リ・トン・キェトは中国漁船に退去を命じ、陸上の中国国旗を狙って威嚇射撃を行った。 1月17日、中国と南ベトナム双方は増援部隊を現地に派遣した。南ベトナム軍は、護衛駆逐艦チェン・チン・ユー(en, 漢字表記:陳慶餘, 旧アメリカ海軍エドサル級護衛駆逐艦フォスター)と哨戒艦チェン・ピン・チョン(en, 漢字表記:陳平仲, 旧アメリカ海軍バーネガット級水上機母艦キャッスル・ロック(en))に歩兵を乗せて派遣、甘泉島と金銀島に展開させた。中国軍も、楡林基地第38002部隊副司令員の魏鳴森を指揮官として、第73駆潜艇大隊(大隊長:王克強)の海南型駆潜艇(en)271号、274号に歩兵1個小隊ずつを乗せて送り、普卿島(ドイモン島)・深航島(ダンカン島)・広金島(パーム島)を占領、ほかにも艦艇や航空機を出動させた。 1月18日、南ベトナムは哨戒艇ヌータオ(en, 漢字表記:日早, 旧アメリカ海軍アドミラブル級掃海艇(英語版)セレーネ)を増派し、永楽島付近を警戒させた。中国側は第74駆潜艇大隊の駆潜艇281号、282号と輸送任務の掃海艇389号、396号(陸兵と輸送物件を搭載)を加えて、駆潜艇4隻・掃海艇2隻(実質はいずれも高速砲艇)の態勢となっていた。中国側漁船2隻も依然として周辺海域にとどまっており、南ベトナム艦艇と体当たりを繰り返していた。 南ベトナム艦リ・トン・キェトの前身のアメリカ艦チンコテーグ。 ヌータオと同型のアメリカ艦アドミラブル。当時、ヌータオの装備は76mm砲1門と20mm機銃2門であった。 中国海軍の海南型(037型)駆潜艇。
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