対左美濃の藤井システム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 10:03 UTC 版)
「藤井システム」の記事における「対左美濃の藤井システム」の解説
前述のとおり本来の藤井システムは左美濃に対抗するための研究であった。左美濃、特に天守閣美濃は、その特異な形から振り飛車にとって攻略が難しかった。 飛車先を突破した後は横から攻めることになるが、振り飛車側の玉が一・二段目にいるのに対して、居飛車側の玉は三段目にいるため、攻め合いになると手数で負けることが多い。そこで天守閣美濃の攻略にあたり、横からではなく、弱点である玉頭を狙った縦からの攻めを織り交ぜるようになった。 先手の場合、玉を3九に配置させてから▲4五歩として相手に理想的な4枚高美濃に組ませないようにし、▲2六歩から玉頭を狙って攻める。ただし▲2六歩を早く決めてしまうと△5三角から狙われるので、振り飛車側としては周到さが必要である。例えば島朗がNHK杯で後手藤井システムに▲5七角から強引に高美濃に組み、桂頭を狙って勝利している。 振り飛車側としては右図からよくある形では▲5六歩と突き、三間飛車に転換した後▲6八角と引いて相手の玉頭に利きを直通させ、右桂とともに攻める。 この他に7七角のままで単に▲2五歩△同歩▲同桂とする手段も実は厳しく、角が3一にいないと銀を2二に引けず(▲2四歩がある)角道が通っている分、居飛車側が常に気を使う展開になる。この順では先手振り飛車側も4五の位を取らずに後手居飛車側に△4三金型の高美濃に組ませた方が▲2五歩△同歩▲同桂△2二銀にそこで▲4五歩△同歩▲4四歩の際に当たりがちかくなって厳しい。 これは非常に完成された戦法であり、対四間飛車に高く構える左美濃自体がプロの対局ではあまり見られなくなっている。
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