家電量販店の競争激化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 09:04 UTC 版)
1990年代以降、デフレーション現象、AV機器家電の販売単価下落、競合店とのポイントカードの利率アップ競争激化など、家電量販店同士の消耗戦が始まることになる。さくらやは、一時は他店のポイントカードサービスとは一線を画し、呈示しただけでその場で現金割引を行うキャッシュバックカード(年会費有料)を発行したが、他店との競争で不利になったために、ポイントカード(年会費無料)とキャッシュバック・ポイント兼用カード(年会費2000円)に切り換えた。1990年代末に、ポイントの利率をアップして実質的にポイントカードに移行させ、同時に年会費無料化も行った。 首都圏を中心に展開していたさくらやは、家電量販店の競争激化に伴う売り上げの頭打ちを打破すべく、1997年、東北地区初の店舗となる「さくらや仙台西口駅前店」(仙台SEIYOをテナントビルにリニューアルしたEBeanSのキーテナント)を出店した。しかし、これに先立つ3月には競合のヨドバシカメラが仙台地区の既存店を統合した巨艦店「マルチメディア仙台」 を開店しており、さらに翌1998年にはラオックスも仙台に巨艦店を出店。ヨドバシカメラとラオックスはともに仙台駅東口に位置していたうえ、さくらやの店舗面積は前記店舗の約半分(4000m2)と狭く、立地も駅からやや遠い利便性の悪さも重なり、売り上げ不振で僅か2年足らずでの撤退となった(なお、ラオックスも2003年には撤退し、跡地はBiVi仙台駅東口となっている)。 東北地区への出店失敗は、静岡市(JR静岡駅南口駅前)への進出計画を白紙撤回するなど、多店舗化にブレーキを掛けた。 このような「多店舗展開の見直し」が及ぼした影響は小さくなかった。ヨドバシカメラ・ビックカメラと、ロードサイド型店舗で躍進してきたコジマ・ヤマダ電機・ケーズデンキなど他の競合店が、新規出店・規模の拡大で、取引メーカーとの販売数に応じた販売リベートの条件や卸値価格を有利に進める中で、新規出店をストップしたさくらやだけが、リベート・卸値などの好条件を得られ難くなった。また、競合店舗が多い同社の主力店舗が密集する新宿地区では、価格競争力を維持するため、販売価格を値下げして薄利多売を続け、経常利益は低下することになった。
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