実在の自白剤
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/17 02:46 UTC 版)
自白剤にはLSDやチオペンタール、あるいはナチス・ドイツが開発したとされる「真実の血清」といった物質が使われる(「真実の血清」はベラドンナを原料とした薬物といわれる。ベラドンナはアトロピンを含む中枢抑制作用をもつ)。またアルコールやコーヒーでさえ自白剤として用いることが可能である。 自白剤の開発は第一次世界大戦の頃から始まり、冷戦時代には多くの研究がなされた。しかし、最も重要なのは自白剤は大脳上皮を麻痺させる以上の働きは無いことである。また、薬物の中には被験者を中毒・廃人にする可能性があるものや、ベラドンナのように致死性の高い植物を使用しているものもある。 自白剤は「自白を強要するため」の一手法として投与される。通常、自白を強要するための手法としては、不眠状態、絶食状態、拷問などの方法がある。これは「嘘をつくためには意識が判然としている必要があり、疲労状態や脳の機能が低下した状態では正常な判断が出来ず黙秘することが困難になる」との論理からである。同様に「自白剤の投与により朦朧とした状態に置かれた人物は、質問者に抗することが出来なくなり、機械的に質問者の問いに答えるだけとなる」と考えられている。また、自白剤のみでなくいくつかの手法を組み合わせることも多い。ただし、朦朧とした状態での自白はそれゆえに信憑性は低くなり(酔っ払いの戯言のようなもの)、また細部については記憶違いや記憶の齟齬が出たり、投薬された人物の主観的妄想が含まれる場合もある。そのため、緊急にして切迫している場合以外は自白剤は最終手段か、もしくはまったく使わないことが多い。
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