実例の不足
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 05:59 UTC 版)
日本の小中学校はほぼ例外なく年齢主義を取っており、課程主義を基本とする学校は見つけることが困難である。このため、同一の国家・言語・文化・生活習慣の中での、年齢主義と課程主義の優劣の比較が困難な現状であるため、課程主義の導入を検討する際はフランスなどのはるか遠くのヨーロッパ諸国の例を引き合いに出さざるを得ない。日本では国立学校は新しい試みを行う実験校的な存在であるにもかかわらず年齢主義が強く入学者の年齢を厳しく制限しており、それぞれ建学の精神に基づいた教育を行っている私立学校でさえ、基本的には年齢主義である。もっとも学習塾など学校類似の機関では課程主義のようなものも広く行われてはいるが、義務教育学校はほとんど横並びである。明治時代初期には厳格な進級試験があり、小学生の原級留置がしょっちゅうあったが、その頃に学校教育を受けた歴史の証人は令和となった現在は1人も生存していないため、現在の高齢者も大部分は年齢主義の学校で育った人たちであり、日本国民の中にはほとんど課程主義の小学校をイメージできる人がいなくなっている。 また現在の公立小中学校では著しい成績不良や出席日数不足の場合であっても、本人や保護者に対して「元の学年に留まるか」と質問されることはあまりないため、本人や保護者が「原級留置が可能である」ということを考える機会すらなく、実質的には当事者に原級留置の選択肢が与えられないまま年齢主義で進級している。小中学校にも高校同様に「進級判定会議」は存在するが、実際には進級しない生徒はほとんど存在せず、形式的なものになっている。
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