太湖の概要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/24 01:08 UTC 版)
古代の太湖は東シナ海の一部であったが、長江と銭塘江が運ぶ土砂で沖積平野が形成された結果、海から切り離された潟湖(ラグーン)となり、やがて雨量の多さや流入する無数の河川の淡水によって次第に淡水湖となっていった。 かつて太湖は震澤、具区、笠澤、五湖などと呼ばれ、周辺は「魚米の郷」と呼ばれる中国有数の豊かさを誇る穀倉地帯・淡水漁業地帯であり、多くの古代国家や豊かな食文化を支えてきた。また茶の栽培や陶磁器の生産でも知られてきた。太湖は非常に浅いため湖水がよく混合され、豊富に流入する有機物によって非常に豊かな漁獲高を古来より誇ってきた。 太湖の面積は2,250平方km(琵琶湖の約3.4倍)、平均水深は2.0m、最大水深は48m。湖面の海抜は3.33m、周囲は400kmである。中国五大湖の一つで、鄱陽湖、洞庭湖に次ぎ中国で三番目に大きな淡水湖である。湖には大小約48の島が浮かび、多くの半島が連なり、湖を囲む峰の数は72を数える。洞庭東山、西山、馬跡山、三山などが著名な山々で、これらの山や湖が入り組む景観は天然の絵画ともいえる美しさを呈している。無錫の山水風景、世界遺産の蘇州古典園林、呉の古跡、宜興の丘陵地の洞窟群などは一体となって太湖風景区を形成している。 太湖周辺の丘陵は石灰岩を産出し、これらの丘陵から切り出される「太湖石」とよばれる穴の多い複雑な形の奇石は有名で、蘇州はじめ中国各地の庭園に置かれている。 太湖 太湖の位置
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