天気輪の柱についての推測
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/30 18:20 UTC 版)
天気輪が仏教由来の建築物であることから、原子朗はこの表現は仏教由来の建造物(お天気柱、転法輪、車塔婆、後生車など)と関係があると述べ、柱の回転する輪は賢治の宗教観である輪廻思想のシンボルであろうと述べている。お天気柱は別名を地蔵車、菩提車ともいい、東北地方における墓地や村境に見られ、農耕に恵みをもたらす天候を祈り、死者を弔う目的で設置された仏教的な宗教設備の一種である。形態的には、石や木製の柱の手の届く部分をくりぬいて、回転可能な輪を取り付けた形状をしており、祈祷者はこれを回して祈り、願をかける。 垣井由紀子は、天気輪の柱とは五輪塔から着想したものと推察している。その根拠は、賢治が晩年、五輪峠からの風景を描いた詩「病技師〔二〕」で「五輪塔」を「天気輪」に推敲しているという事実である。 その他の説としては、宗教的な概念(法華経の七宝の塔、ヤコブの梯子など)と関係があるとするもの、天文現象(太陽柱、月の暈、きりん座、北極軸、日時計など)と関係があるとするものなどがあるが、未だ定説を見るに至っていない。
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