天体衝突への警戒と対策
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/11 03:55 UTC 版)
小さい地球近傍小惑星は、未発見のものも多いと考えられるため、既知小惑星の追跡観測だけでなく、新規発見への努力が続けられている。日本では美星スペースガードセンター(岡山県井原市)が取り組んでいる。地球に衝突する可能性が高い小惑星が見つかった場合を想定した避難などの対策も検討されている。国際宇宙航行アカデミー(IAA)は小惑星衝突対策を議論する国際会議「PLANETARY DEFENSE CONFERENCE」を開催しており、日本は第5回会議(2017年5月15日 - 19日)の会場となった。 この会議で日本側責任者を務めた宇宙航空研究開発機構(JAXA)吉川真准教授によると、アメリカ航空宇宙局(NASA)や欧州宇宙機関(ESA)、国際連合(UN)では隕石衝突への対策組織を設けている。地球衝突への10年程度前に発見できれば、現在の技術でも回避が可能であるという。 小惑星の地球衝突を未然に防ぐ対策としては、人類が打ち上げた宇宙機の微小な重力による牽引や接触で軌道を変更する、核爆発などで破砕するといった方法が提案されている。今後NASAは宇宙空間での実験(DART計画)を予定している。 NASAなどの研究チームは、2135年に地球へ衝突する可能性が僅かにある小惑星「ベンヌ」(直径約500m)を例として、全長9mの大型宇宙船を10年間に50回ぶつけて徐々に軌道を変えるか、核兵器の使用検討が必要であると試算している。 またNASAは2016年に「惑星防衛調整局(英語版)」(PDCO)を設立している。
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