天体望遠鏡の架台
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/26 09:00 UTC 版)
赤道儀式架台、経緯台式架台、1軸式架台、「自在ジョイント」方式の架台などがある。 天体望遠鏡は基本的に天体観測に用いるものなので、天体の動き(日周運動)を追尾するのが容易な架台が基本的には便利であり、その意味では赤道儀式架台が便利である。 現代の天文台では、電動モーターで動き、数値制御され、天体の自動追尾を可能とする架台が用いられることが一般的になってきているが、同様の機能(の基本的なもの)を実現する個人向けの比較的安価で小さなユニットも市販されている。 ただし、1960年代あたりにジョン・ドブソンが、地面や床に直接置く きわめてシンプルな水平回転板の上に、高さの低い1軸式の架台(大砲の架台のようなもの)を乗せ、そこに大口径の望遠鏡をまるで大砲のようにのせることを行うようになり、それが近年、アマチュアの天文観測家の間では流行している。もともとは一応、2軸の架台であったが、最近は1軸式の、より一層シンプルなものも増えてきている。 なお人工衛星観測用望遠鏡など、特殊な用途では3軸以上の自由度を持つ架台もある。 赤道儀式架台 地球の自転軸と平行な極軸と、それに直交した赤緯軸の2軸で構成された架台である。 詳細は「赤道儀式架台」を参照 経緯台式架台 詳細は「経緯台式架台」を参照 鏡筒の水平回転(経線)を受け持つ軸と、それと直交した俯仰角を受け持つ軸(緯線)の2軸を持つ架台である。観光地などに設置されている有料の大型双眼鏡の架台としても使われており、また同様の構造を持つものに、測量に用いられるトランシットがある。 ドイツ式赤道儀 片持ちフォーク式経緯台(ポルタ架台)とケプラー式望遠鏡 球形のボディとシンプルな凹型の架台の組み合わせで、一種の「自在ジョイント」としたニュートン式望遠鏡。1976年~2013年に「Astroscan」という名で市販されていたもの。 アマチュア自作のニュートン式望遠鏡の架台。水平方向は、適当に滑らせるように回せばよい、という発想のもの。ドブソニアン望遠鏡の一種。 自動車で牽引するためにナンバープレートがつけられた架台。(1983年)
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